「信用の新世紀 ブロックチェーン後の未来」を読んで貨幣経済が衰退した未来を想像する

こんにちは、未だに仮想通貨童貞のゴッホです。登録に大分手間取っております。

BitBankにブチ切れそうになっていましたが、コインチェックの一件で胸を撫で下ろしました。

 

斉藤賢爾さんの「信用の新世紀 ブロックチェーン後の未来」を読んだので感想を記します。

この本は起業家でエンジェル投資家の有安伸宏さんのツイートをみてポチリました。

 

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佐藤航陽さんの「お金2.0」を読んで、仮想通貨の出現により今後の世の中・経済が大きく変わるということを理解することができた。

ブロックチェーンが社会に与える影響というテーマで書かれた本を読み漁っていたのだが、どの本もしっくりくるものがなかった。

「お金2.0 新しい経済のルールと生き方」読書感想 - ゴッホの備忘録

そんな中で「信用の新世紀」は、デジタル通貨で博士号を取った斎藤さんらしい専門的な知識を交えつつロジカルでわかりやすく無事に読了することができた。

また、アカデミックな斎藤さんらしく、23もの参考文献が引用されていた。中には1960年出版の古典もあった。

 

本書は小説から始まる。主人公のシミズ・ツヨシが我々のいる現代から2048年の未来へとタイムスリップする。彼はそこで、貨幣経済が衰退した未来を目の当たりにする。

ATMは設置されておらず、人々はお金を払わずに商品を持ち去る。

先日第一号店舗がオープンしたAmazonGoのように。

レジのない「Amazon Go」がついにオープン、センサー満載の店内をチェック | BUSINESS INSIDER JAPAN

AmazonGo自体は支払いはAmazonアプリから自動的にされるようだが、シミズ・ツヨシが体験した未来は贈与経済で成り立っており、支払いはせずに自由に持っていっていい設定になっていた。

2048年では、AIとロボットの発達により、人は働かなくても生きていけるようになっていた。そうなるかどうかは別として、思考実験としては面白い。

 

小説の後、ブロックチェーンの仕組み、信用経済の成り立ち…と考察が進む。

正直に告白すると、ブロックチェーンの仕組みの話とか、ソフトウェア関連の話、特にビザンチン将軍問題の話はよくわからなかったので舐めるようにサラッと読んでしまった。

逆に言うと、ブロックチェーンやソフトウェア関連の知識がなくても本全体の内容は十分に理解できる。

 

主に語られるのはブロックチェーン技術の登場による、「貨幣経済の衰退」だ。

貨幣だけでなくメディアについても過去の歴史と未来が語られる。両者に共通するのはブロックチェーン技術やインターネット技術の登場による過去への回帰である。

メディアの方がわかりやすかったので先に説明したい。

 

1455年にヨハネス・グーテンベルグが欧州で初めて聖書の活版印刷を行なった。

活版印刷技術の発明は我々ホモ・サピエンスの爆速的な発展をもたらした。

敢えて「ホモ・サピエンス」という表現を使ったのは本書の随所でユヴァル・ノア・ハラリの「サピエンス全史」が引用されるからだ。

「サピエンス全史」は歴史を題材に扱った作品の中ではジャレド・ダイアモンドの「鉄・銃・病原菌」やウィリアム・マクニールの「世界史」を越える名作なので、まだの方は是非読んでみてほしい。

サピエンス全史読書感想① - ゴッホの備忘録

 

活版印刷の発明以前、メディアは「写本」という形で存在していた。

書物は人々が書き写して回し読みしていたのだ。そこには写し手の思想が入り込みながら、モザイク状に構成されていた。1冊ずつ手書きのため1つ1つがユニークだった。

プレ・グーテンベルグでは、読者は個人的なものではなく、集団で集まって○○さんの写本を読み合わせるといった聴覚的なものだった様だ。

識字率の低さも影響していただろう。

活版印刷の登場により、一字一句違わないテキストが複製可能になった。その時に初めて著者という概念が登場した。活版印刷の登場から500年以上に渡り、論文や書籍はサピエンスの発展に貢献してきた。

 

そして時代は現代。活版印刷を極限まで推し進めた「デジタル・メディア」が登場する。 

デジタルメディアは活版印刷術が強化していた「著者」という概念を衰退させ、活版印刷術により衰退させられていた写本を回復させる。

 

 こうやってブログを書いたり、Twitterで自分の意見を発言することは、グーテンベルグ以前の人がしていた写本と同じかもしれない。

それぞれにブログ主、アカウント主の思想が入り、モザイク上のメディアを形成する。

デジタルメディア上の写本の拡大により、「著者」という概念が衰退する。

確かに、本は全く読まないけど、TwitterFacebookのタイムラインは見るという人は多いかもしれない。我々が読む活字のシェアはソーシャルメディアの割合が増加していっているだろう。

 

しかし、著書は衰退してもなくならないだろう。

プロの作家と編集者がお金と時間をかけてかけて本は、無料で読めるブログやましてやTwitterに流れてくる内容とは文字あたりの密度が違う。旧来のメディアとソーシャルメディアは相互に補完し合う関係になるのではないだろうか。

例えば、写本からの著作家である。ぼくが愛して止まない「ハッカーと画家」は元々はポール・グレアムのブログをまとめて書籍化したものだし、敬愛するサウザーさんも毎日ブログを書かれて書籍化を目指されている。

これからの「カネと女」の話をしよう。

 

プレ・グーテンベルグと現代で違う点がある。1つの写本の影響力だ。

インターネットによる写本は複製コストは0なのでフォロワーが多かったり面白い内容のコンテンツは瞬く間に世に広まる。逆の場合は一生懸命書いても誰にも読まれない。

コンテンツの評価は蓄積される。影響力があるものはさらにさらなる影響力を手にし、影響力がないものはずっとないままという残酷な世界でもある。

現代の写本を根気強く続けて、評判を積み重ねていくことが大切なのかもしれない。

メディアについてはマーシャル・マクルーハンの「グーテンブルグの銀河系」が多く引用されていた。

 

貨幣についてはデヴィット・グレーバーの「負債論」が引用される。

貨幣は最初、金貨・銀貨などの硬貨ではなく、信用貨幣として登場した。

相手を信用できなければ何かを貸すことはできない。いつ獲物が捕まるかもわからない狩猟時代では貨幣は実現し得なかった。

農耕の出現とともに負債という概念が登場し、それとともに負債を表す数字として貨幣が登場した様だ。

そもそも、狩猟採取時代にはサピエンスは全能だった。誰の許可を得なくても食物を確保できる。その気になれば一人でも生きていける。

自分たちが生きるための全てを群れのメンバーで行うことができた。例えば、狩りのための武器を作る、獲物を狩る、皮をはぎ、火をおこし、調理する、木の実を採取するといったことだ。

農耕が始まると人々の仕事は専門化され、万能性は失われた。生き延びるために必要な全てを自分たちだけで行なうことはできない。

何もかも貨幣がなければ手に入れることはできない。貨幣を得るために労働をしなければいけないという不自由を強いられている。

専門性と貨幣がサピエンス全体に爆速的な発達をもたらしたが、サピエンス一人ひとりの自由や幸福度は狩猟時代に比べると低下したのかもしれない。

これは前述の「サピエンス全史」でも農耕革命は人類史上最大の詐欺だったとして取り上げられている。

 

税金は元々は自由市民は払うことはなかったようだ。戦争に負けて支配された国の国民が収めていた。税を貨幣で支払っているうちに、市場が生まれた。

専門化と貨幣と国家は三つ巴の形で発展してきたようだ。 

貨幣は交換を促進するものなので、専門分化している社会でなければ存在意義がない。専門分科は個人の万能性を損なうことなので、安全保障のために国家を必要とする。国家は税金を必要とし、そのために貨幣が発明されたとさえ言える。

 そして、メディア同様に貨幣についても反転が始まっている。

ブロックチェーン技術は貨幣を、インターネットを利用した知識の共有と3Dプリンティングのようなパーソナルな製造技術が専門分化を、インターネットは国家を衰退させる。

逆に、貨幣、専門分化、国家により衰退させられていたものが回復する。

贈与経済、個人の万能性、狩猟採取社会である。

 

貨幣が他の2つの要素とともに三つ巴で発達したように、新しい流れも三つ巴で発達するとある。

メルカリ、AirBnbUberに代表されるCtoC市場が伸びているが、贈与経済の広がりは至るところで感じることができるのではないか。

フリーランス人口が増加の一途を辿っている。フリーランスは会社組織に頼らず独力で金銭を得られるのだから、ある意味で独力で金を稼げる万能性の回帰であり、狩猟社会でのサピエンスの生き方と言えるかもしれない。

これまで通り会社組織で働く完全な農耕民族による農耕的社会と、独力で金銭を得ることができる狩猟民族による狩猟社会が共存することになるだろう。

むしろ、ほとんどの人は会社組織に所属して農耕的な生き方をしながら、独力で狩猟活動を行うのかもしれない。

そうした時代の中で生き抜くには農業の仕方と狩りの両方を覚える必要があるだろう。

 

狩猟採取時代への回帰は喜ばしいことだと思う。

アフリカのサバンナで最初に猿が立ち上がってから数百万年、我々はずっと狩りをして生活してきた。最近の1万年前になって初めて農耕を始めた。

つまり、我々の遺伝子は狩猟採取生活をすることに最適化されている。そのため、農耕社会をベースとした現代では色々と不都合が生じる。

狩猟採取時代では、誰かに権力が集中しない様な仕組みがうまく構築されていた様だ。

群れのα・βということ役割はあれど、一人ひとりの権限と裁量は今よりも大きかったことが想像できる。人は誰かを支配することも、誰かに支配されることにも本当はなれていないのではないか。

誰にも命令されることなく、自由に金を稼げたらこんなに素晴らしいことはない。

ぼくも狩人としての技術をもっと磨きたい。

 

最後に、人類史に残る新しい会社の出現というテーマで書かれた箇所を紹介したい。

30世紀の教科書に載る会社は何か?という問いに著者は「東インド会社」を上げている。なぜなら、初の株式会社だから。

そして、今後現れる人類史に残る会社についても語られる。

現在、人類史に残っている会社は、現在の会社の形態の起点となる会社なのだ。

すると、次に人類史に残る会社がどういう性質のものかも、おのずとわかってくる。現在の会社の形態を時代遅れにする会社のはずだ。新しい種類の会社の起点と言っても良い。

もしかすると、「会社」という枠組みではないかもしれない。

「お金2.0」の資本主義から価値主義へ、本書の狩猟社会への回帰という話を読んで思うのは、人類最大の経済圏を構築する会社なのかもしれない。

いや、会社というのはそもそも資本主義の枠組みだ。最早会社という呼び方ではなく、組織やコミュニティといったものかもしれない。

 

この問いを読んで木村新司さんの以下のツイートが思い浮かんだ。

 Vitalikは仮想通貨イーサリアム創始者である。

イーサリアムを生んだ23歳の天才が語る、ブロックチェーンのこれからと「分散の力」 | WIRED.jp

確かに、株式会社という組織に所属せずとんでもなく大きなことをやってのけている。

30世紀の歴史の教科書に載っている組織は1600年の東インド会社、2013年のイーサリアムかもしれない。

信用の新世紀  ブロックチェーン後の未来 (NextPublishing)

信用の新世紀  ブロックチェーン後の未来 (NextPublishing)

 

「80's エイティーズ ある80年代の物語」読書感想

こんにちは、橘玲信者のゴッホです。

橘玲さんの新作が出ていたのでさっそく読んでみた。彼の唯一の(おそらく)自伝的作品とのことだ。

一貫してその時代の代表的な出来事ともに橘玲さんの過去を振り返る。これまで彼の経歴はブログや作品にところどころ登場していたものの、一貫した内容はベールにつつまれていた。

早稲田大学の第一文学部卒業で元宝島の編集者、海外投資を楽しむ会の創設メンバーでその活動をきっかけに小説「マネー・ロンダリング」でデビューしたということしかぼくは知らなかった。

マネーロンダリング (幻冬舎文庫)

そんな彼の自伝とあって、ファンにはたまらない一作だろう。学生時代から語られるエピソードの中で、彼の作品のルーツを知ることができる。

 

プロローグについては彼のブログで公開されているので紹介する。

物語は1970年代末の高田馬場駅の喫茶店で彼が大学の講義をサボって本を読んでいるところから始まる。

ある日その店のBGMで、これまで聞いたことのない音楽が流れた。その歌声は一瞬でぼくを虜にしたが、誰が歌っているのかはわからなかった。
その何日か後に、またその音楽が流れた。ぼくは思い切ってカウンターに行くと、美しい女性に曲の名前を訊いた。
彼女はちょっと驚いた顔をすると、「ノーウーマン・ノークライ」と教えてくれた。
ボブ・マーリー。わたしも大好き」
誰にでも、なぜか記憶に刻み込まれて忘れられない些細な出来事がある。これはそんな私的な物語だ。

引用元:『80’s(エイティーズ)』プロローグ No Woman, No Cry – 橘玲 公式BLOG

ボブ・マーリーは彼の小説「永遠の旅行者」でも登場している。なぜボブ・マーリーが登場しているのかずっと疑問だったのだけど、 彼にとって思い出の曲だからだった。

天井のファンを回し、オーディオのスイッチを入れ、地元のFM局に合わせる。オリジナル・ウェイラーズ時代のボブ・マーリーの懐かしいナンバーが流れてきた。

レゲエの王様ボブ・マーリーはジャマイカのゲットーで育ち、奴隷として売られてきた黒人の哀しみを歌い、実在のエチオピア皇帝ハイル・セラシエを神と崇め、三十六歳で脳腫瘍で死んだ。その彼の歌が、いつのまにか楽園の島の定番ソングになっている。

引用元:永遠の旅行者〈上〉 (幻冬舎文庫)

この永遠の旅行者はぼくにとって初めて読んだ橘玲本で、「マネー・ロンダリング」「黄金の羽の拾い方」「残酷な世界で〜」と当時発売されていた橘玲本を次々に読破し、後に発売された本もほとんど読み、キャリア観を身に着け、今の自分があるのでこの本には感謝してもしきれない。

 

永遠の旅行者と言えば、統合失調症精神分裂病)の女の子がメイン・キャラクターとして登場し、その病院の風景や病状についてもリアルに描かれている。

本書を読むとこれは橘玲さんが彼のキャリアの中でこの病気の患者との座談会を企画して本にしていたので統合失調症について詳しいということがわかった。

「精神病」をテーマに選んだのは、心理学や精神分析学の難しい話ではなく、精神病の「現場」がどのようになっているのかを知りたいとずっと思っていたからだ。そこで考えた企画のひとつが、統合失調症( 当時は精神分裂病といった)の患者の座談会だっ た。なぜこんなことを思いついたかというと、篠原くんがこの病気で入院した経験があったからだ。

引用元:80's エイティーズ ある80年代の物語

 

彼のキャリアの中で、海外の宝くじに関する雑誌を作って代理販売する仕事に関する仕事が登場する。その中で彼はドイツ後の資料を翻訳してマニュアルを作るという仕事に携わる。 

ビジネスチャンスを嗅ぎつけた赤川さんは、一人で飛行機に飛び乗って、ドイツの宝くじ会社と海外販売の独占契約を結んできた。ぼくたちの仕事は、赤川さんが持ち帰った 大量のドイツ語の資料から宝くじの仕組みや買い方、当せん金の受け取り方をマニュアルにすることだった。ドイツ語はまったく知らなかったけれど、文法が英語と似ている ので、辞書を引けば宝くじの説明くらいはなんとか理解できるのだ。

引用元:80's エイティーズ ある80年代の物語

 

さらっと書いてあるがこれはなかなかすごい。彼がロシア文学科を卒業している(ほとんど勉強していないとあるが)こともあるだろう。これで、ウォルター・フロックやエリック・バーカーなどの海外の書籍の訳文や監訳などをサラッとできていた理由がわかった。それ以外にも彼のメルマガで度々紹介されている様な、和訳されていない文章を原文で読むことができるので知の最前線にいるのだろう。

不道徳な経済学──擁護できないものを擁護する (講談社+α文庫)

残酷すぎる成功法則 9割まちがえる「その常識」を科学する

世の中の仕組みと人生のデザイン l 橘 玲 | DPM(ダイヤモンド・プレミアム・メールマガジン)

 

亜玖夢博士の経済入門という書籍の中で下記の様な描写がある。

亜玖夢三太郎博士の輝かしい経歴のなかで、一九六六年は特別な年であった。二千年に及ぶキリスト教文明の呪縛が解け、 水瓶座(エイジ・オブ・アクエリアス)の時代が幕を開けたとされるこの年、少壮の亜玖夢博士は サンフランシスコ郊外にあるバークレーの大学に招聘され、ラブ・ジェネレーションの勃興を間近に体験する機会を得た。この年、サンフランシスコのフィッシャーマンズウォーフではじめてのトリップ・フェスティバルが開かれた。大ホールの中央に巨大な櫓が組まれ、五台の映写機と五十台のストロボ、巨大なスピーカーから映像と閃光、大音響の洪水が溢れ出し、その異空間でLSDをきめた数千の若者たちが踊り狂った。若き日の 亜玖夢博士はこの歴史的集会に参加し、伝説のロックバンド、グレイトフル・デッドの目の前で腕を振り、足を踏み鳴らし、宇宙の果てまでトリップした。

 引用元:亜玖夢博士の経済入門 (文春文庫)

この幻想的で魅惑的な文章に惹きつけられ、読んでから5年以上経った今も忘れられなかった。想像だけで書いたにしてはやけにリアルな描写だなと思っていた。

また、LSD大麻などのサイケデリック体験と自己啓発については彼のブログでも詳細が記されている。こちらもかなり詳細な内容となっている。

自己啓発の歴史(1) CIAとLSD – 橘玲 公式BLOG

 

本書を読んでその謎がとけた。彼は過去に合法・非合法を問わずドラックに関する企画に携わっていたのだ。

一九九三年三月に、青山さんたちと編集担当のMくんで、『気持ちいいクスリ』というムックをつくった。ビタミンからヘロインまで、合法・非合法を問わず、「クスリとはなにか」をニュートラルな立場から考えてみよ うという企画で、当時の風潮に乗ってベストセラーになった。

引用元:80's エイティーズ ある80年代の物語 

 

ちなみにこの「亜玖夢博士の経済入門」はマインドサイエンス入門とセットなのだが、彼の著書の中でも最高傑作の1つだと思う。

ゲーム理論、社会的証明、プロスペクト理論脳科学など知の最先端の概念を小説形式で分かりやすく解説している。

読まなくていい本の読書案内でもこれらの概念は題材とされていたが、イマイチ理解できなかった人は亜玖夢博士に聞いてみると理解が進むかもしれない。

「読まなくてもいい本」の読書案内 ――知の最前線を5日間で探検する

 

上記以外にも裁判所から出版差し押さえの仮処分を受けながら、書籍が本屋に並び売れまくった話やオウム真理教事件のさなか、教団に唯一取材ができるメディアとして教団に出入りした話など、興味深い話が多数掲載されている。

彼は編集者として数々のヒットを生み出していた。それ故に、作家としても成功できたのだろう。橘玲さんのファンには是非オススメしたい一冊である。

80's エイティーズ ある80年代の物語

80's エイティーズ ある80年代の物語

アフェリエイトで稼ぐインフルエンサーは金の亡者か?

こんにちは、貧乏アフィリエイターのゴッホです。

金融日記299号でアフェリエイトに関する藤沢数希さんの見解が展開された。

週刊金融日記 第299号 誰も教えてくれなかったWebサービスとアフィリエイトの勝利の方程式、日本も世界も株式市場はロケットスタート、青山の安くて美味しいフレンチバル、暗号通貨で誰かが儲かっている分は...|藤沢数希|note

特にAmazon楽天アフィリエイトの比較論が面白かった。アフィリエイトに留まらず、欧米企業と日本企業の比較論まで発展した。

乱暴にまとめると、「Amazonアフィリエイトシステムが最高で日本のものはクソ。官僚主義と言われる、利益を損ねても規則を忠実に守ろうとしている。」というものだった。

楽天はごちゃごちゃしていたのであまり使っていなかったが、アフェリエイトのシステムもあまりよくないとのことで、今後もお世話になることはなさそうだ。

 

時を同じくして、我らがむぅちゃんがアフィリエイトを開始した。

これまで商品紹介などもリンクなしで行っていたため、議論を呼ぶかな…と気になったが、問題ないようだ。

ソーシャルメディアアカウントのマネタイズについては過去にも書いたが、基本的なスタンスは変わらない。

SNSアカウントのマネタイズについて再考する - ゴッホの備忘録

 

ぼく自身もアフィリエイトを利用しているので、アフィリエイトには賛成だ。しかし、それは使い方次第という条件つきで。

フォロワー側から見た場合、「とにかく金を稼ぐためにアフィリエイトリンク連発、アフィリエイトリンクつきの同じツイートの再ポスト」などのテイカー的な使い方はもはやタイムライン上に表示される広告と変わらない。

一方で「自分が良いと思ったものを紹介し、その最後にアフィリエイトリンクを貼る」使い方は欲しいフォロワーがすぐに商品詳細ページに飛べるギバー的な使い方を言える。

GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代〜読書感想 - ゴッホの備忘録

結局のところ、「自分のためか/フォロワーのためか」という視点でみて、前者ならあまり積極的にフォローやいいね!はしたくないし、後者ならフォロワーからしても気にならないのではないか。

 

商品を紹介する時、アフィリエイト・リンクを貼らずに商品の写真のみを貼ってるアカウントもいるが「私はソーシャルメディアでお金儲けをしてません」という「アンチ・マネタイズ」だと感じている。

「お金2.0」の感想でも触れたが、彼・彼女らはお金よりもフォロワーからの信頼を重要視しており、マネタイズによるユーザー離れを恐れているのかもしれない。

「お金2.0 新しい経済のルールと生き方」読書感想 - ゴッホの備忘録

 

ただ、ユーザビリティという観点で考えると、アフィリエイトリンクの方が優れている点もある。

ツイートやブログでの紹介を見て購買意欲を刺激されたフォロワーは商品情報を調べるだろう。Googleで検索する手間をかけさせてしまう。一方でアフィリエイトの場合はリンクをクリックすれば商品詳細ページに飛ぶことができる。

どちらの経路で購買しても、フォロワーが支払う金額は同額だ。それどころか、iherbアフィリエイトの様にアフィリエイト経由の方が安く買える場合もある。

金儲けのために同じツイートを連発したり、買ってもいない商品や良いくない商品を勧める、などはアンフォロー対象だが、自分が本当にいいと思う商品を勧める分にはアフィリエイトを使った方がプラスになる点もあるのではないか。

 

インフルエンサー側から見ると、アフィリエイトを用いると金銭的なプラスがあるので紹介するインセンティブになる。

リンクを経由して購入された場合に報酬が支払われるが、その報酬は現金ではなく、amazonポイントなどサービス内でしか使えない通貨だ。

新たな商品を試すことに投資し、また良い商品を見つけて紹介するという好循環を生み出せればフォロワーにも還元される。

ぼく自身Amazonアフィリエイトを始めたことで、読書コストが下がり、たくさんの本を読むことができるようになった。そしてその中から優れていたものをTwitterやブログで紹介している。紹介の裏では実は数々のボツになった本達が眠っているのだ笑

 

インフルエンサーがギバーかテイカーかはフォロワーにはわかるだろう。

優れた紹介をするインフルエンサーは信用を得てさらに売れるようになり、もっと良い紹介をしようというインセンティブが働き正のスパイラルに入る。

逆にフォロワーからぼったくろうとしているインフルエンサーは信用されなくなり、売れなくなるので、低クオリティな紹介を繰り返し、フォロワーも離れていく…という負のスパイラルにハマっていくだろう。

 

「自分もアフィリエイト始めてみようかな」と思った場合、何から手を付ければいいのか。

最初はAmazonがいいだろう。金融日記でも大絶賛されていた様に、Amazonを儲けさせている限りはうるさいことを言われない。

そして、大抵どんな商品も揃っているし、フォロワーのほとんどはAmazon会員なので会員登録の手間がない分購入されやすい。何か自分が使ってみたり商品や読んだ本でいいなと思うものがあればAmazonで探せば大体見つかる。

登録も簡単で、以下から登録すればスマホからもPCからもアフィリエイトリンクを発行できる。

Amazonアソシエイト(アフィリエイト)プログラムに参加しよう!

 

アフィリエイトをやる場合ブログを書いたほうがいいのか?という質問をされたが、必ずしもそうではない。

まずはTwitterに商品紹介とともにリンクを貼り付けるだけで始められる。というか、Twitterに貼り付けたほうが瞬間的には売れる。Twitter→ブログ→Amazonと2段階で遷移させないといけないので、Twitterかけるリソースあたりの売上が低くなりがちだ。それに、ブログをやってない人だとそもそもブログを始めるハードルがある。

ただし、ブログは記事が検索エンジンにひっかかると長期的に流入がある。Twitterだとどんなにバズっても時間が経つと流入はなくなる。

また、検索している人は買うモチベーションがあって、調べているので購入にもつながりやすい。

Twitterはフロー、ブログはストックという整理がわかりやすいかもしれない。

 

Twitterアフィリエイトを売るのがうまいと言えば、LINEの田端さんが最初に浮かぶ。Twitterでバズらせるコツを熟知されているので、うまくアフィリエイトを絡めて拡散させる。下記のツイートは食洗機という高単価商品なので相当な収入があったのではないか。

大前研一さんの「企業参謀」を1300冊売ったことも話題となった。

 

田端さんの様にアフィリエイトリンクつきでバズを生み出せる人は稀だろう。

だが、本の内容のうち、バズりそうなキャプチャとともにリンクをつけることは誰にでもできる。

特に、漫画とかはわかりやすくてバズが起こりやすいかもしれない。

ただ、kindleのキャプチャをTwitterに貼っていいのかが著作権的にOKなのかわからないので、ここらへんは自己責任でお願いしたい。

 

読書 感想+著者メンション+アフィリエイトリンクというパターンだと著者がRTしてくれる可能性が高い。これはブログでも同様の手法が使える。

 

ちなみに、Amazonプライムビデオの映画の感想+動画+アフィリエイトリンクという手法も試しているが 、拡散はされるものの全く売れない…まだユーザーにAmazonプライムビデオが浸透していないためかもしれない。

ビデオ・オンデマンド・サービスのNo.1のネット・フリックスでアフィリエイトをやったほうがいいのではないか…と思って調べたものの、そもそもアフィリエイトの仕組みがないようだ。

 

ブログの企画力で拡散させ、売りまくるという手法もある。

レッティの坂口淳一さんはけんすうさんやLINEの田端さんなどがSarahahで紹介していた書籍をブログにまとめてバズを起こし、ブログ開始2ヶ月目で9万円の売上を上げている。サイバーマンデーなども影響した様だが、フォロワー500人に満たなくてもアフィリエイトで収益を上げられることが証明された。

【ブログ2ヶ月目】2017年12月のPVは35,268、収益は90,275円でした。 | Coの世界

 

最近、Twitterの仕様変更かAmazonアフィリエイトリンクを貼っても画像が出てこなくなった。文字+リンクだけだとTLを流れていってしまうので、Amazonの商品画像を保存してツイートに貼り付けた方がクリック数が増えるかもしれない。

 

紹介した以外にもアフィリエイトで稼ぐ方法はたくさんあるだろう。個人の時代と言われて久しいが、読者の皆さんもソーシャルメディアアカウントでのマネタイズを考えてみてはいかがだろうか。一緒にアフィリエイトで稼いで社畜を卒業しましょう!

プロテインは何を選べばいいのか?

こんにちは。筋トレサロン管理人のゴッホです。

筋トレサロンには#質問部屋というチャンネルがあり、筋トレについてわからないことを質問し、分かる方にご回答頂いています。

先日、ギンペンさんからプロテインについての質問があったのですが、とてもためになる回答だったので僕個人のための備忘録としてまとめ、読者の皆さんにもシェアできればと思います。

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そうなんです。プロテインってのはトレーニーにとってはガソリンみたいなものでなくては生きていけない必要経費です。朝起きたらプロテイン、ジムに行ったらプロテイン、お腹が空いたらプロテイン、寝る前のプロテイン…という感じで飲んでいると3kgくらい買っても1ヶ月でなくなってしまいます。ギンペンさんはチャンピオンというプロテインを買われているとのことですが、これはAmazonで買えます。

チャンピオン ピュアホエイプラス プロテイン ココアモカ 2.18Kg

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シュガさんよりオススメのプロテインのご紹介。エクスプロージョンというプロテインは初めて聞いた名前なのですが、3kgで6000円と確かにお安いです。またAmazonで買えることも魅力ですね。カフェオレ、杏仁豆腐、フルーツオレなど他では見ないような味も展開されております。

エクスプロージョン ホエイプロテイン3? 杏仁豆腐味

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TYOからマイプロテインのご紹介です。5kg7000円、1kg1400円は激安ですね。マイプロテインはお恥ずかしながら童貞でした。ロジスティクスには問題があるみたいですね。WPC…見つけられなかったので分かり次第リンクを貼ります。

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たくぼーさんも賛成されているということは、マイプロテインコスパは間違えないようですね。しかし、溶けが悪いとのこと…せっかく安くても捨ててしまっては元も子もないですね笑

そしてついに登場しました!僕もゴールド・スタンダードを愛飲してます!めちゃくちゃ美味しいです!いままでずっとオプチマムと呼んでいましたが、ゴールド・スタンダードと呼ぶのが一般的なのでね…反省します。

Optimum Nutrition, 100% ホエー ゴールド スタンダード, エクストリーム ミルク チョコレート, 5 lbs (2.273 kg) - iHerb.com

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なるほど、一概にマイプロのWPC全部が悪いというわけではないようです。

そして、iherbでお得に買う方法が!これは助かる。

ホエイアイソレートとホエイペプチド…何を言っているのかわからなかったのでググってみました。

WPI((ホエイプロテインアイソレート)とはホエイを分離したものの意味で、含有率は
90%程になります。 

 引用元:プロテイン選びのポイント② 原料別の特徴 ホエイ - Kentai Blog

たんぱく質が90%入っているという意味の様です。

ホエイアイソレートは

ホエイペプチドとはホエイ(乳)から作られるペプチドのことです。

引用元:【ペプチドとは】初めてホエイペプチドを使用される方へ

ということで 、乳からつくられたプロテインということの様です。いまいちよく理解できてませんが、理論より実践ということで先に進みましょう。

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情弱は黙ってろよ。

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いや、そうなんです。本当にありがとうございます。これまでゴールド・スタンダード一択だった僕もかなりの選択肢が広がりました。

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マイプロはセール時に狙って買うのが鉄板の様ですね。きめ細やかなご説明、本当に助かります。

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ギンペンさん、無事にセール価格でプロテインを買えた様で何よりです。

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クレアチンが入っているんですね。そもそもトレ後にクレアチンと吸収の早い炭水化物を摂取した方が効果的なことを知らなかった…まだまだ蓄えるべき知識はたくさんありそうです。

Muscletech, パフォーマンスシリーズ、Nitro-Tech、ホエイアイソレート + リーンマッスルビルダー、バニラ、10 lbs (4.54 kg) - iHerb.com

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というわけで今までなんとなく買っていたプロテインについての知識を増やすことができました。次にプロテインを買う際は僕もマイプロテインのセールを狙ってみます。

*追記TYOさんから補足いただきました。なんという知識量…マスターTYO、一生ついていきます!

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追記2

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しろぬりさんよりビーレジェンドをご紹介頂きました。

ビーレジェンド ホエイプロテイン 激うまチョコ風味 1Kg

 

今回紹介させて頂いたみなさんです。

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筋トレサロンについては下記の記事でまとめました。

「お金2.0」を読んで無料のオンラインサロンを作ってみた - ゴッホの備忘録

筋トレは合同トレーニングしたほうが捗る

こんにちは。筋トレ自称中級者のゴッホです。

今回は合同トレーニングをテーマに書きたいと思います。

僕はフィットネスを始めたばかりの頃から合同トレーニングをやっていてそのメリットをたくさん享受してきました。

合同トレーニングの魅力について改めて整理します。

■ソロの時より頑張れる

短期的な効果は何と言ってもソロでのトレーニング時よりも限界に近づけることだろう。

ソロでトレーニングする場合、自分がどこまで追い込めているか、監視できるは自分だけである。自分が自分のコーチになる必要がある。ソロで限界まで追い込みきることはなかなか難しい。どこかで緩めてしまう。

だが、合同トレーニングの場合はパートナーが常に見ている。レップ数をカウントすることをお願いしてみてもいいかもしれない。より緊張感が高まる。

また、合同トレをしてみて初めて、自分で「限界」と思っていた負荷はなんて軽かったのだろうということに気付かされます。

「自分の限界を決められるのは自分だけ」と言うが、他者とトレーニングすることで自分の限界を拡張することができる。

■ソロでは得られない学びがある

2人で合同トレーニングには3つのパターンが考えられる。

パダワン:マスター

f:id:goph:20180115090320j:plain

引用元:https://matome.naver.jp/odai/2146272391881669601/2146272530382273203

どちらかが多くの筋トレの知識を持っている場合だ。そういった場合、パダワン(弟子)はマスター(師匠)から多くを学べる。

フォームのチェックに始まり、メニューの選び方、トレーニング頻度、食事、サプリメントの選び方、オススメのYouTuber、書籍、Twitterアカウント、有名選手などに至るまで筋トレの基礎知識や常識をマスターから学べる。

また、トレーニング後にプロテインシェイクで乾杯し、バルク飯を食べ、コーヒーを飲みながらの筋トレ談義は最高の一時だ。普段職場などで抑えている筋トレ話を存分に開放できる。

マスターは人に教えることで知識に深みができるし、初心者がどういったことで悩むかということを知ることができる。

仮にマスターが将来的にフィットネスで金銭を得たいと考えているならば、「コーチングすること」を無料で学ぶいい機会となる。

パダワン:パダワン

f:id:goph:20180115090147j:plain

引用元:http://www.denofgeek.com/us/movies/star-wars/269668/star-wars-the-last-jedi-what-exactly-is-the-rey-kylo-ren-relationship

両者の筋トレ知識が拮抗する場合、どちらかが師というわけではなく、お互いに筋トレを学ぶ者として合同トレができる。時にマスターになり、時にパダワンになると言った形で知識や経験を共有し合うことができる。

筋肉量や筋トレ歴が同じくらいの場合は互いに対抗意識が芽生え、パダワン:マスターの組み合わせ以上に頑張れる可能性がある。

また、後述する「ソロに戻った時の効果」はこの組み合わせの時が一番大きいだろう。

・マスター:マスター

f:id:goph:20180115090412j:plain

引用元:https://comicvine.gamespot.com/forums/battles-7/alice-selene-vs-yoda-darth-sidious-1494190/

互いに道を極めつつある者が合流し、トレーニングする。パダワンへの指導法やマーケティングの仕方を情報交換するいい機会となるかもしれない。

また、お互いがインフルエンサーの場合は合同トレの様子をSNS上にアップすることで互いのフォロワーを融通し合える。

■ソロに戻った時の効果が上がる

同じ相手と定期的に合同トレーニングをすることで、「次回の合同トレーニングまでにもっと成長したい」というインセンティブが働くようになる。

そのため、ソロトレーニングに戻った時、単純にずっとソロでやっている時より頑張れる様になる。

■虚偽報告ができなくなる

SNS上で筋トレの結果(メニュー、重量、レップ数など)を報告しているが筋トレアカウントもいるが、合同トレーニングをすることでこの報告の虚偽申請ができなくなる。

合同トレーニングをすることで、ソロでのトレーニング、報告にも緊張感が出る。

■終わりに

いかがでしょうか?合同トレーニングをしたことない人は是非チャレンジしてみてください。合同トレーニングする相手がいない?安心してください。筋トレサロンで探せます。筋トレサロンについては下記の記事でまとめました。

「お金2.0」を読んで無料のオンラインサロンを作ってみた - ゴッホの備忘録

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それではご登録お待ちしております。

「お金2.0」を読んで無料のオンラインサロンを作ってみた

こんにちは、筋トレサロン管理人のゴッホです。

2018/1/10 (水)にSLACKというチャットツールを使った無料のオンラインサロンを開設しTwitterで募集しました。

1/13土 11:24現在、231名の方に参加頂いております。

この無料サロンを佐藤航陽さん著「お金2.0」に着想を得て開設しました。

過去記事にも書きましたが、

・経済圏は参加者、インフラ、通貨があれば作れる

・仮想通貨の登場により、通貨の発行は政府の専売特許ではなくなった

・これからは経済圏は政府だけでなく個人でも作れる

上記にインスピレーションを受けて、筋トレ経済圏を作るべくサロンを開設しました。

「お金2.0」読書感想 - ゴッホの備忘録

 今回は、筋トレサロンのビジョンについて書きたいと思います。

 

■Why:なぜやるのか

①トレーニーのモチベーションを高める

トレーニングは孤独なものだ。

ジムにたくさんの人がいてもみんな音楽を聴きながら黙々と鍛える。

合同トレーニングをすると、人に見られているのでいつも以上に頑張ることができる。しかし、独りでトレーニングをしていると見ているのは自分だけだ。つまり、自分が自分の監視役にならなければいけない。

人は自分に甘いものだ。独りだとどうしてもレップ数が少なくなってしまう。

似たような構造の競技がある。ナンパだ。

ナンパするのはものすごく勇気がいる。初心者の人だと街に行ったけど2時間くらい彷徨っただけで1声もかけられなかった…ということはザラだ。

彼らはTwitterで「出撃」などのツイートをし、フォロワーに対して自分がナンパしていることを示して自分を追い込む。

ナンパした結果を投稿して、横並びで頑張っている人がいることを見てモチベーションをもらう。

これは筋トレにも応用できる。

・ジムに行くことを宣言して、サボるのを防ぐ

・頑張っているトレーニーの姿を見て、自分がジムに行くモチベーションを高める

②マッチングの場を提供する

・トレーニー:トレーニー

合同トレーニング相手を探せる。Twitterでも可能だが、トレーニーがたくさんいるコミュニティの方が検索効率が高まる。

・女:男

フィットネスを愛する者の中には、交際する異性にもフィットネスを求める者もいる。

付き合った異性をフィットネスの世界にもいざなうこともできるが、自発的にやっている場合とは成果が違うだろう。

異性に求める第一条件がフィットネスであるというなニーズを満たすことができる。

外資系企業、理系大学など男性が多数のコミュニティでは女性が圧倒的にモテる。マッチョな彼氏を探したい女性は選びたい放題となる。

男も貴重なプリケツ女子を探すことができる。

・トレーナー:トレーニー

パーソナルトレーニングや筋トレ講習会に評価経済を導入したい。

ジムに行くと多数のパーソナルトレーニングをしているトレーナーの張り紙を見ることができる。大抵は写真、プロフィール、経歴と料金が載っている。

良い野球選手が良い監督になるわけではないのと同じ理由で、経歴からはコーチングが優れているかは判断できない。パーソナルトレーニングを受けたいと思ったトレーニーはとりあえずお金を払ってコーニングを受けてからしか良し悪しを判断できない。

一方でCtoCと言われるメルカリ、UberAirBnbなどのサービスは双方向で利用者のレビューが見ることができる。評価が高い売り手ほど人気が集まるので売り手は良いサービスを提供するようになる。

評価経済では参加者は利己的な動機から、高い評判を獲得しようと利他的に行動する。

これまで頑張ってフィットネスに従事してきたトレーナーが報われ、豊かになる。

トレーニーはお金を無駄にすることなく良いトレーナーに出会うことができる。

・企業:個人

法人がモニターや筋肉が大きいモデルなどを探す時、「色白」「大胸筋が発達」「逆三角形でない」など細かな条件がある場合、モデルを探すのは非常に困難を極める。

企業はトレーニーの探索コストを下げることができる。

トレーニーは金銭を得る機会を得る。

また、企業がトレーニー向けのプロモーションを行うということも考えられる。

④筋トレに特化したコミュニティからイノベーションを起こす

良いデザインは集団で生起する

という言葉がある。ポール・グレアムが書いた「ハッカーと画家」という本からの引用で、「ものつくりのセンス」という章にある文である。

とても美しい文章なのでそのまま引用すが、筋トレサロンをフィットネスのフィレンツェにすることで、たくさんのダ・ヴィンチミケランジェロを生み出せる。

良いデザインは集団で生起する。 15世紀のフィレンツェには、 ブルネレスキ、ギベルティ、ドナテルロ、マザッチョ、フィリッポ・リッピ、 フラ・アンジェリコ、ヴェロッキオ、ボッティチェリレオナルド・ダ・ヴィンチ、そしてミケランジェロがいた。 その当時、ミラノフィレンツェとほぼ同規模の都市だった。 あなたは何人のミラノ出身のアーティストを挙げることができるだろうか。

15世紀、フィレンツェには何かが起こっていたのだ。 それは現在に続いてはいないから、血統のせいではないと言える。 レオナルド・ダ・ヴィンチミケランジェロに何らかの生まれながらの能力が備わっていたとしても、 ミラノにも同様の能力を持った人はいたはずだ。ではミラノのレオナルドには何が起こったのだろう。

現在、アメリカ合衆国には15世紀のフィレンツェの人口の約1000倍の人々が住んでいる。 1000人のレオナルド、1000人のミケランジェロが我々の中にいるはずだ。 DNAが全てを支配するなら、こんにち我々は毎日のように素晴らしい芸術に驚嘆している はずではないか。現実はそうではない。レオナルドがレオナルドになるには、 生まれながらの能力以上の何かが必要なのだ。1450年のフィレンツェが必要なのだ。

関連した問題を解こうとしている才能ある人々のコミュニティほどパワフルなものはない。 それに比較すれば遺伝子の影響なんて小さなものだ。 遺伝子的にレオナルドであるだけでは、フィレンツェではなくミラノに生まれてしまった 不利を打ち消すことはできない。 現代では人々の移動は激しいが、良い仕事は依然としてごく少数の「ホットスポット」から 集中して出てくる。バウハウス、マンハッタンプロジェクト、「ニューヨーカー」、 ロッキードのスカンクワークス、そしてゼロックスのParc。

どんな時代にも、少数のホットなトピックがあり、それに向けて多くの仕事をなす少数の集団がいる。 それらの中心から遠く離れてしまっていては、良い仕事をするのはほとんど不可能だ。 このような流れを押しよせたり引き寄せたりすることはある程度できるが、 完全に逃れることは出来ない。 (いや、あなたなら出来るかもしれないけどね。でもミラノのレオナルドには出来なかった)。

この章は無料で読めるので気になる方は是非。

ものつくりのセンスーハッカーと画家

⑤フィットネス人口を増やす

①〜④を通じて、日本ひいては世界のフィットネス人口を増やし、世界人口の総筋肉量(GMM:Gross Muscle Mass)を増やす。

■How:どうやるのか

自律分散型のコミュニティで筋トレ経済圏を作る。

・有料サロンの限界

シナプスやDMMラボを用いたオンラインサロンの場合、参加者とオーナーという中央集権型のコミュニティとなるため、スケールするのに限界があるように感じる。

参加者は課金額に見合う情報やノウハウを得たいというスタンスで参加している。与えるインセンティブがあるのはオーナーのみとなる。

オーナー:参加者が1:Nのシステムとなり、オーナーが共有リソースがスケールの上限となる。また、サロンでのテーマについて、全ての参加者より相対的に優位である必要がある。(オーナーより自分の方が優位だと思った参加者は退会する)

・無料サロンの限界

無料サロンの場合はオーナーはあくまでもシステムの管理者であり、本当の意味での運営が役割分担となる。そのためオーナーを含めた全参加者同士のN:Nのシステムであり拡張上限はMin{PCかスマホを保持するトレーニー,SLACKサーバーの処理性能}となる。

ちなみに、筆者はトレーニーのレベルをS〜Cクラスで格付けすると、ギリギリBクラスに入れるレベルだ。お金をもらった参加者のに何かを与えることはできない。

■What:何をやるのか

SLACKを使って自律分散型のコミュニティを作る、というのは簡単だが 開設3日目にして管理する難しさを感じている。

「お金2.0」に自己発展しやすい経済システムの5要素が紹介されている。

今後の発展のために、これをサロンに植え付ける必要がある。

①報酬が明確である(インセンティブ)

自動的に参加者が集まるようにするには、参加するインセンティブ設計が不可欠である。特に人間の3大欲求である3M(儲けたい、モテたい、認められたい)があるといい。

・儲ける

これはパーソナルトレーニングや講習会のマッチングでの取引が発生すれば達成できる。その他にも有用な情報を提供したユーザーにお礼でいくらか寄付できるような仕組みが考えられる

・モテたい

これは男女のマッチングで、人気のあるトレーニーがある日女子アカウントからDMが来てデートに誘われる…なんてことが起き始めると満たせる。

・認められたい

これは現在でも達成できている。ユーザーがトレーニングの記録を投稿してリアクションやコメントがついている。

②時間によって変化する(リアルタイム)

常に時間によって変化することを参加者が知っていることが重要な様だ。現状は立ち上げ期なので激しい変化に恵まれている。

今こうして記事を書いている間にも参加メンバーが増えており、次々と新しいチャンネルが作られて議論が活性化している。

それ以外にも今後外部アプリと連携することにより新しい仕組みや、トレーニー受けしそうなリアクションの導入などSLACKシステムの拡張・増強をしていく必要があるだろう。

③運と実力の両方の要素がある(不確実性)

自らの努力でコントロールできる「実力」の部分と「運」の要素のバランスが大事な様だ。

筋トレは実力の世界だ。日々のコツコツとした努力のみが実を結ぶ。

運については何かしらの仕組みを考える必要があるだろう。

④秩序の可視化(ヒエラルキー

筋トレの世界では明確な序列がある。「筋肉が多い者ほど偉い」だ。これに異論はないだろう。

ただ、優位なポジションを手に入れたものはそのポジションを守ろうとするので新陳代謝する仕組みを入れる必要があるとのことだ。

筋肉は簡単にはなくせないので、筋肉+情報共有のうまさというのが一番良い序列の指標になるかもしれない。

⑤参加者が交流する場がある(コミュニケーション)

サロンそのものが交流の場である。

■終わりに

いかがでしょうか?まだまだ実験段階で課題も多いですがこの3日間非常にエキサイティングな日々でした。興味を持って頂けた方は下記より登録頂けると幸いです。

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また、賢明な読者ならこのスキームは他のあらゆる分野に適応できると気づいたかもしれません。特に興味関心でつながっているTwitterとの相性が抜群です。

僕も美容やナンパなどのサロンをやりたいのですが、今は全リソースを筋トレサロンに集中させたいです。

サロン運営に興味がある方は相談に乗れると思いますので、リプかDMください。