束縛してくる彼氏/彼女への対応

敬愛する早乙女まどかさんがSarahahを始めたところ、悩める美容女子から恋愛の質問が殺到している様だ。なんと羨ましい

結婚できない時代と言われているけれど、それでも恋愛の炎は私達の中で燃え上がっている。 - まどかの戯言集

 

「僕も女子の恋愛相談答えたい」というツイートをまどかさんがRTしてくれたおかげか、さっそく女子から相談があった。

・彼氏の束縛が激しい

・怠け癖がひどい

とのことだ。Twitterで答えているのだが、140文字だと細部まで答えきれないので、記事でじっくり考察したい。

■パートナーを束縛する心理

男に限らず、相手を束縛するのは自信のなさの現れだと思う。

・相手の方が自分よりも価値があると感じている

・このままだと相手が他の異性になびいてしまうのではないかと不安になる

・お付き合いを口実に相手の恋愛活動を制限して自分に留まらせようとする

大まかな束縛のプロセスだと思う。相手を束縛するのは自分の方が相手よりも魅力がないというシグナリングになるのでやめたほうがいい。

残酷な話だが、自分がパートナーから束縛された時、それは相手と自分の魅力が釣り合っていないということを意味し、相手から卒業を検討する時期なのかもしれない。

逆にあなたが相手を束縛したい気持ちにかられたら、近い将来フラれるかもしれないと危機感を感じるべきである。やるべきことは、そうならないために何かしらの手を講じることだろう。

■男女の恋愛観の違い

「男は最初の男になりたがり、女は最後の女になりたがる」とは、アイルランドの劇作家、オスカー・ワイルドの言葉だが、男女の恋愛観をよく表している。

恋愛工学や橘玲さんの受け売りだが、わたしたちは自分達の遺伝子をたくさん残せた人の子孫だ。つまり、わたしたちの本能や習性は自分達が最も遺伝子(子供)を残せる様に最適化されている。ただし、現代の状況にではない。生物の進化のスピードはすごくゆっくりなので、長い時間をかけて本能を形成した石器時代にたくさん子供を残せた人の習性がしみついている。

わたしたちホモ・サピエンスが40万年前にサバンナで獲物を追い回していたころ、どんな人が子供をたくさん残せたかと言うと、男は妊娠・出産のコストが限りなく0に近いのでとにかくたくさんの女とセックスした人がたくさん子供を残した。

女の場合はそう簡単にいかず、良い遺伝子を妊娠し、良いパパに子供を育ててもらう必要があった。有名なGood GenesとGood Dad理論である。

週刊金融日記 第12号 Good Genes or Good Dad? 消費税増税法案可決、コスパ抜群の恵比寿のフレンチ、他|藤沢数希|note

橘玲さんの言葉を借りると、「異なる生殖戦略を持つ男女は“利害関係”が一致しない」からだと言うことが科学的に証明されている。

男と女はなぜわかり合えないのか? 週刊プレイボーイ連載(51) – 橘玲 公式BLOG

 

男は彼女がいようが常に他の女とのセックスの機会を狙っており、彼女もそうなんじゃないかと心配なのである。ほとんどの男にとっては、付き合うことが唯一のセックスの手段であるが、女はそうではない。フラッとクラブでもいって、物欲しげな視線を男に送ればものの10分でセックスにありつける。

男が持つ他の相手とセックスしたいという欲求と、女は簡単にセックスできるという状況が彼を束縛に駆り立てているとも言えるかもしれない。

■精神的に向上心がない者はばかだ

夏目漱石の「こころ」で主人公が親友を自殺に追い込んだ台詞だが、実際にそうだと思う。

パートナーを束縛してる暇があるなら自分を磨いた方がいい。束縛してくる彼氏にはもっと魅力を高めてもらってお互いのバランスを整えてもらうのが良いかもしれない。

そもそも、束縛するという行為は相手の足をひっぱって自分のレベルにまで引き下げる。他の異性にアプローチする気がなくても、行動に制限される。例えば、彼女が大学生で就活の大切な局面を迎えている。第一志望の内定を持っている男性の先輩の話を1:1で聞きたいが、彼氏にいったら嫌がられるんだろうな…なんて気にしてたらライバルに遅れをとってしまう。

たまにお互いを束縛し合って愛を確かめあってるカップルがいるが健全ではないと感じる。(本人たちがそれで幸せならもちろんいいのだが)

彼女が人数合わせの合コンに誘われてどうしてもいかなきゃいけない…という相談をされたら、快諾し「他の男と自分を比較して来い」と言えるくらいの度量を持ちたいものだ。

■彼氏への伝え方

というような内容を彼氏に直接伝えるのは問題があるだろう。どんなに理由があっても結論は「束縛するんじゃねぇよ」なので彼氏からしたら「色々屁理屈こねてるけど、自分が遊びたいだけじゃん」と取られかねない。 

第三者からやんわり伝えてもらうのがいいかもしれない。この任務を託せる共通の知人がいなければこの記事のリンクを送ったほうが、直接伝えるよりいいだろう。

■終わりに

 1000年前から小説・劇のテーマとしての恋愛がなくならないのは、恋愛が人類にとって、普遍のテーマであり、色褪せないからではないでしょうか。

 

恋愛に進化だの科学だのという言葉を持ち込んでしまうと、百年の恋も冷めてしまう様な気がしますが、科学的に証明されたエビデンスを用いて、論理的に行動することは色々な局面でリターンが多くなる確率が統計的に高い選択を与えてくれます。恋愛の面白みはなくなってしまうかもしれませんが。