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サピエンス全史読書感想②

こんにちは。読了してから時間が経ってしまいましたが忘れないうちに記します。①はこちら。

goph.hatenablog.com 

①では我々サピエンスが体格で勝るネアンデルタール人を絶滅させた。その後は農耕革命、中世時代、産業革命、現代と気の長くなる様な年月を辿りながら書は続く

世界中へ進出

アフリカで誕生し、ヨーロッパでネアンデルタール人を滅ぼしたサピエンス。その鍵だった認知革命(虚構により数多くのサピエンスが連携できた)により、ネアンデルタール人だけでなく、大型肉食獣達も次々と倒していった。認知革命を手にしたことにより、サピエンスは食物連鎖のピラミッドを中位から頂点まで駆け巡った。そして道具を使えるようになったことでアフリカ・ヨーロッパの外へと旅立つことができた。オーストラリアへは船を作り、筏を漕いで。アメリカ大陸へは雪の上を歩ける靴やマンモスの毛皮を縫った防寒具を羽織って。道具を使うことにより、自分の身体を進化させなくとも環境に適応できる様になったサピエンスは、地球史上例を見ない速度で世界中に散らばっていく。

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出典:九州大学総合研究博物館

世界中に散らばりながら、サピエンスは各地域ごとに進化し微妙な違いを持っていった。この地図を見ると、アジア人とアメリカ大陸の先住民が我々アジア人にどことなく似ているのも納得できる。また、髪の色が金髪で肌が白いのはヨーロッパ人だけということもわかる。現地にいたクロマニヨン人の遺伝子を少し取り込んだことが影響しているのだろう。

 史上最も危険な種

世界中に散らばったサピエンスだが、新天地で王としていた大型肉食獣を次々と殺戮していった。ヨーロッパ・アフリカでは200万年に渡りサピエンスを含む人類種が徘徊し進化してきたので食物連鎖の階段を登るスピードに大型肉食獣の進化のスピードが対応できた(2足歩行の集団でいる猿を見かけたら逃げる様に遺伝子にプログラムされた)。しかし、オーストラリアや北南米大陸では突然現れた捕食者に適応することなく滅びていった。体重が50キログラム以上ある動物種はオーストラリア大陸で24種中23種滅びた。サピエンスが到達する前には様々な有袋類が闊歩していた様だ。体長2m、体重200kgのカンガルー、トラ程の大きさの有袋類のフクロライオン、ダチョウの2倍もある飛べない鳥たち、ドラゴンの様なトカゲや長さ5mの蛇などー

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ディプロトドン(出典:巨大有袋類「ディプロトドン」の化石50体を発掘、オーストラリア 写真3枚 国際ニュース:AFPBB News

 

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ドロモルニス・スティルトニ(出典:川崎悟司イラスト集・ドロモルニス・スティルトニ

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フクロライオン(出典:巨大古生物 復元: rappajazz)

 

北米でも同様に47属のうち34属が、南米では60属中50属はサピエンスにより絶滅させられた。体重8トン、体長6mのオオナマケモノ、巨大ライオン、アメリカ原産の馬やラクダ、サーベルタイガー。

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オオナマケモノ(出典:ナマケモノの祖先は5mを超す巨大生物だった

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サーベルタイガー(出典:画像 : 古代最強猫科 サーベルタイガー「20cmの牙がカバを襲う」 - NAVER まとめ)

 

見てるだけでもワクワクしてくる。ドラクエの世界だ。彼らを動物園で見ることができたらさぞ楽しかっただろうが、それは博物館でしか叶わない。古代に作った木の槍や斧、火だけでこの大型肉食獣達を殺しまくったご先祖様、素直にすごいなと思う。

そして本書では出てこないが、アフリカ・ヨーロッパ大陸の大型獣が生き残って、オーストラリアや南米の大型獣が滅んでしまったことは後に歴史に大きな影響を及ぼす。アメリカ大陸では家畜化できる動物が少なかっため文明の発展が遅れた。アステカ帝国では少数のスペイン人の騎馬隊に多数の兵隊が殺戮された。この辺の話は鉄・銃・病原菌に詳しいので未読の方は是非読んでみてほしい。