Twitterのフォロワーの増やし方

こんにちは、最近ツイ廃を抜け出しつつあるゴッホです。

先日、Twitter経由の友人からフォロワーの増やし方を教えてほしいと言われました。

数万単位でフォロワーがいる人からしたら「お前に言われたくないわ」って感じだろうなと思って、躊躇していたのですが、年末のタイミングということで思い切って書いてみます。

基本的なところは先日めでたく3万の大台に乗られたヒデヨシさんがまとめていました。

ツイッターでフォロワーを増やすために使われている小技を一気に紹介するよ! - 俺の遺言を聴いてほしい

よくまとまっていてわかりやすい。これを実践すればすぐにでも1万フォロワーになれそうだ。このリンクをそのまま送りつければよかった。

上記の記事にない小手先のテクニックを紹介していきます。

■フォロワーを増やすための大前提

記事の中でフォローするまでのプロセスはACIFの法則として紹介されているが

1. Attention(存在に気付く)
2. Check(どんな人か確認する)
3. Interest(興味を持つ)
4. Follow(フォローする)

本当にその通りだと思う。疑いの余地がない。

獲得フォロワー数は以下の様に因数分解できる。

獲得フォロワー数=①プロフィールのアクセス数×②フォロー率 ー ③アンフォロー数

①プロフィールへのアクセスを伸ばす

基本的にはツイートがいいねやRTされてフォロワー外の人にリーチ→プロフ画面に飛んでくるという流れがほとんど。ツイートをいかにRT・いいねさせるかというところに終止する。

②プロフィールに来てもらった時のフォローされる確率を上げる

画像、bio、誰かと仲が良い、そもそも知っていてフォローしたかった…様々な要素が複雑に絡み合って、ユーザーはフォローするか否かの決断を下す。

③アンフォローされないツイートを心がける

せっかく苦労して獲得したユーザーもたった1つのツイートでアンフォローされてしまう。ヘイトツイート、エログロ、宣伝、キャラ変など…アンフォロー要因は多々ありますが、アンフォローの原因ツイートがわかったらすぐにツイ消ししてダメージを最小にしたい。

この3つを念頭にツイートしていくと良いのではないか。

■獲得した認知は大切に(①②③)

アイコン/名前/IDは変えない方がいいと思う。確か人妻幸子さんがつぶやいていたが、ツイートがRTやいいねで拡散されると自分のフォロワー以外にもアイコンと名前がなんとなく認知されている。

それで、なにかをきかっけにプロフ画面に来てフォローとなる…ということが背後で行われているのだが、ころころとプロフ画像を変えているとせっかく獲得した認知が逃げてしまう。

それどころか、プログ画と名前をダブルチェンジすると、自分のフォロワーが「誰だこいつ?間違えてフォローたかな」とアンフォローされてしまうので注意が必要だ。

ものすごく昔、ナンパ師の人が他のナンパ師垢を叩きまくってディスられたため、プロフ画とユーザー名を変えることを余儀なくされて、フォロワーが減りまくっていた。

最近だとかえざんまいさんが誰かにアカウント売って、プロフ画と名前が変わってアンフォローされまくっていた様な…

IDについても、リプやブログへの埋め込みなどからのリンクが全部死んでしまうのであまり変えないほうがいいだろう。

とはいえ、イケメン/美女アイコンの方がフォローされる確率は上がるらしいので、今のプロフ画が微妙だったら変えてみて、あとはずっと固定とするのが良いかもしれない。

■ツイートの内容が当てはまるユーザーの最大公約数を増やす(①)

受け手が共感しやすい内容の方がRT・いいねされやすいのは言わずもがなである。自分のフォロワーがどんな人達でどんな内容に反応しやすいかを把握しておいて損はないだろう。

1つだけ確かなのは、Twitterに関する内容はTwitterユーザーにとっては誰にとっても共通の話題になる。アルファアカウントがよくTwitterで流行っていることや炎上している内容についてつぶやいているのはそのためではないだろうか。

■敵を知り己を知れば百戦危うからず(①)

Twitterアナリティクス

Twitterアナリティクスを使っているだろうか?スマホからでも見れるがPCからの方がより見やすい。

どんなツイートがフォロワーからの反応を得やすいかを定量的にチェックできる。

ツイートごとにいいね、RTだけでなく画像の拡大、ツイートの詳細クリック、リンクのクリック、プロフ画面への遷移などをチェックすることができる。

いいね・RTなどを通知で見ているので体感的にはわかっていると思うが、より細かいフィードバックを得ることができる。何より、①で一番大切なプロフへの遷移はTwitterアナリティクスでしか見ることはできないので活用しない手はない。

・Favostar.fm

これを見るとアカウントごとの歴代でもっともバズったツイートが閲覧できる。自分のアカウント名や界隈のツイッタラーのアカウントのfavstarを覗いてみて、どんなツイートがバズりやすいか研究してみてはどうだろう。

http://favstar.fm/

■動画は埋め込む(①)

本当に小手先のテクニックなのだが、Youtube動画をツイートするとYouTubeのリンクが貼られる。これは、GoogleTwitterの仲が悪いからなのかしらないがユーザビリティ的にはクソだ。リンクなんて誰もクリックしやしない。動画をポストするときは埋め込み動画にしてツイートする。一手間かけるだけでエンゲージメントが全然違う。

筆者はClipBoxを使って動画をスマホに保存してからTwitterに埋め込んでいるが、もっといい方法があればご教示頂きたい。

【Clipbox】YouTubeの動画をスマホに保存する方法! - YouTube

■ニッチな市場を狙い、シェアを取りきったらピボット(①②)

フォロワーが少ないうちは、自分が所属している界隈があるなら、その界隈の中でもニッチな領域(できれば自分が一番得意とする領域)に関することをつぶやき続ける。ナンパのことをつぶやいたと思ったらサッカー、仕事論…とフォロワーが少ないのに色々な領域を多岐に渡ってつぶやくのは得策とは言えない。

「恋愛工学を使って福岡でペアーズ攻略する」みたいなテーマでつぶやくと

「恋愛工学」×「福岡」×「ペアーズ」というニッチな市場にピンポイントでアプローチできる。おそらく、ここまで限定するとほとんど競合はいないハズ(その分市場も小さい)のですぐにそこのニーズがあるフォロワーを獲得できるだろう。

全部獲得できたと思ったら、ペアーズに加えてTinder、タップルなどサービスを広げてもいいし、PUAメソッドを使ってみてもいいかもしれない。ネトナンに限界を感じたらストナンに手を出してもいいだろう。

とにかく小さいニッチな市場を狙って徐々に広げていくのがいいだろう。

ピボットとはスタートアップの用語で事業の方向転換という意味なので、広げていくのとは少し違うのだが、しっくり来るので使っている。

Facebookハーバード大学の学生のみのSNSからスタートし、東海岸の大学→西海岸の大学→欧州の大学→一般ユーザーと世界を制覇した。

ソーシャル・ネットワーク (字幕版)

■意外とされる検索(①)

Twitterアナリティクスを見ていると、RT・いいね数の割にはやたらとツイートのインプレッション数が高いものがある。それらに共通するものは、どのツイートも固有名詞を含んでいた。そう、今時の若者は何かを調べる時はGoogleよりもTwitterInstagramで検索する時代なのだ。

太古の昔、恋愛工学がまだあまり一般的でなかった頃、初めて女子垢の批判にさらされたときがあった。その時、彼女たちは恋愛工学のワードが理解できなかった。特にサウザーさんが開発した「聖帝十字撃」これは意味不明だったのだろう。ググっても出てこない。そこで彼女たちはTwitterで検索してみたのだろう。1ヶ月前の筆者の「聖帝十字撃」を含んだツイートがRTだけ異様に伸びだした。RT先を見ると叩かれまくっていた。その頃はメンタルが弱かったので速攻でツイ消しした。

上記は一例だが、何かについてつぶやくときは固有名詞を正式名称でツイート内に含むと検索にひかっかってリーチする可能性があることを念頭においたほうがいいかもしれない。

SEO(Search Engine Optimization)だけでなくSSO(Social Search Optimization)も考慮しなければいけない時代なのだ。

*今作りました

■ブログの併用(①②)

なんか①ばっかりなので最初の①②③何だったんだという感じになってきているのですが、ブログも次の二点において有用だ。

1.検索エンジンからの導線を作れる

検索してくれた人がそもそもTwiterやっていないとあんまり意味ないんですが、Google→ブログ→Twitterのプロフ画面という導線を作れる。SEOがうまくいって、検索ボリュームが多いワードの検索上位になった日には大量のユーザーを流入させられる。

ここらへんについては筆者もブログを始めたばかりなのであまり知見がない。

2.140文字じゃな伝えきれない内容を書ける

面白い記事が時としてとてつもないバズを生むことがある。そして面白いブログを書いていると、新しい記事を読むためにRSS代わりにフォローしてくれる人があるといったところだろうか。

■息をするようにつぶやく(①)

イッタラーには2種類いる。普段はほとんどつぶやかず、ここぞというタイミングでツイートをしてバズらせる。もう一方はとにかくいつもTLにいて、ほとんどは海千山千のツイートだが稀に大ヒットを生み出す。

一番格好いいのは前者だけど、これはつぶやく前のマーケットセンスがないとできない代物だ。そうでない我々凡人は息をするようにつぶやく(でも「これは確実に2ふぁぼくらいだろ」という内容はつぶやかないようにする)というのが良いだろう。

ツイッター複雑系*の世界で何かバズるかは蒼い鳥にしかわからない。

*ユーザー同士が互いにフィードバックしあうため、予測不能な世界。ブラジルで蝶が羽ばたくとテキサスで竜巻が起こるというアレ。

Twitter外での認知(①②)

ブログも該当するが、Twitter外での認知を持っている人がTwitterに参入すると一瞬で大量のフォロワーがつくケースがある。最近だと人気Instagramerの似鳥沙也加さんがTiwtterに参入した瞬間に3万フォロワーを達成した。

身近な例だと金融日記のスター投稿者であったサウザーさんが2015年1月にTwitterの地に降り立った。金融日記読者で彼を知らぬ者はいなかったので瞬く間に大量のフォロワーを獲得した。

Twitter外で自分が所属する界隈の人が集まる場所があるのであれば、そこで認知を獲得してTwitterでフォローしてもらうというのはトリッキーではあるが良い戦略だと思う。

コミケでもいいし、掲示板でもいいし、オフ飲み会かもしれない。

僕がドラマ版「ぼく愛」見てとりあえず恋愛工学アカウントを作ったフォロワー0の卵アカウントだったら、一番最初にやることは、金融日記に投稿して、「今週の金融日記に投稿して採用されました!」と呟いて藤沢数希さんにRTしてもらってフォロワーを稼ぐことだろう。

■終わりに

いかがでしたでしょうか?

ここまでやったらTwitterがつまらなくなる?僕もそう思います。普段こんなに意識してないです。なんとなくそうだろうなという知見を書き綴ったらこんな量になってしまいました。体系立てられておらず、まとまりがなくて申し訳ない。
Twitterは息抜きに楽しくやるのが一番だと思います。

これからフォロワーを増やしたい人の一助になれば幸いです。

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恋愛工学生が観たドラマ版「ぼくは愛を証明しようと思う」

こんにちは。恋愛工学信者のゴッホです。

テレビ朝日系列でドラマ版「ぼくは愛を証明しようと思う。」が放映されました。

2014年8月にcaskeで連載開始されてから2015年7月の小説版発売、2015年11月の月刊アフタヌーンでのマンガ連載開始と駆け上がり、今回の地上波放映はコンテンツとしてはある種の到達点となったのではないでしょうか。

次に見据えるのはドラマシリーズ化、そして映画化でしょうか。どこまでいけるか、楽しみです。

深夜枠とは言え、TV放送のリーチ力は凄まじく、小説や漫画の比較にはならないはずだ。これにより「恋愛工学」というワードがこれまで以上に世間に浸透するのではないかと思います。

今回はメルマガ創刊号からの読者である筆者から観た感想などを思うままに書き綴りたいと思います。

■レビュー

・文字情報と映像

「映像化で原作を越えることは難しい」ということを改めて感じた。そもそも原作のファンはドラマに多くの期待を持っていなかったのではないか。Twitterでもキャスティングや演技への批判の声を見かけることの方が多かった。

そもそも「映像は原作の映像を超えられない」という話はよく言われている様に感じる。文字情報だけの場合、読み手が周りの情景や主人公の顔、会話などを想像力で補うことができる。映像化されてしまうと、そもそも役者が自分のイメージと違っていたり、話し方や雰囲気も違っていたり…という受け手のイメージとの乖離が起こりやすい。特に、元々原作があって、そこに一定のファンがいる場合はファンが小説を読んで脳内に作り上げたイメージが既にあるので、それを越える(一致させる)ことが難しいのではないだろうか。

・尺の長さ

また、今回は50分という尺の短さもあった。2014年8月から2015年10月まで1年2ヶ月に渡って61話もの長編小説を50分に詰め込むのは少々無理があったかもしれない。恋愛工学テクニックの紹介に大半を費やしてしまい、ストーリーのディティールは表現しきれなかった様に感じた。この点は連続ドラマ化や映画化などすれば解消できる点ではあるので、今後に期待したい。

・テレビ事情

”テレビ受けしやすい”という観点での改編も感じた。劇中で紹介されていたテクニックは視聴者に受けやすい、使われやすいものがピックアップされていた様に感じた。

セックストリガー理論は「女は好きな相手とセックスするのではなく、セックスした相手を好きになる」という恋愛工学の根幹をなす理論であるが省かれていた。

この理論により、女から愛されるためにはまずはセックスしなければいけない→だからセックス獲得のテクニックを学ぼう!という論理展開がされるのだが、テレビ的には最初から「恋愛工学を使えば簡単にセックスできます!」という方がキャッチーだし視聴者受けもすると判断されたのだろうか。

また、「女をディスる技術」も割愛されていた。これは「女をからかうのと馬鹿にするの中間くらいの態度で接することで相対的に相手の価値を下げる」というものだが、やり方を間違うと火傷してしまう。筆者もディスり加減が分からず、何回も女性を怒らせてしまった。これはテレビを観た視聴者が真似をして女の子をディスって問題になるということを避けたのかもしれない。

・濡れ場

逆に期待したかったのは濡れ場のシーンだが、規制が高まっている昨今の事情を反映してか、あまり大胆な映像は見ることができなかった。最大でブラの上からおっぱいを揉むシーンくらいでほとんどの女性はキス止まりでセックスシーンは割愛されていた。

このへんはテレビ東京の金曜深夜の枠で実写化していれば…とたらればを考えてしまう。

■映像のリーチ力

映像化のメリットは冒頭でも触れたが圧倒的なリーチ力である。「恋愛工学」という言葉はTwitter民などネットの世界に生きる人にはおなじみのワードではあるが、一般的ではない。今回のドラマ化でこれまで恋愛工学の「れ」の字もしらなかった人々にリーチできたのではないか。その方たちはどう感じただろうか?少しでも「ナンパしてみようかな」そう感じた人が少しでも増えたのであればそれは大きな功績だろう。

■恋愛工学とぼく愛

そもそも恋愛工学とは何なのか。ドラマのために生み出されたキャッチーは面白ワードなのか?いや違う。熱狂的な信者を多数生み出し、ある人にとっては心の拠り所となっている宗教であり、コミュニティであり、人生であり、学問である。

・メルマガ「金融日記」創刊

元々は藤沢数希さんが運営するブログ「金融日記」に恋愛工学のカテゴリは数多く掲載されていた。それが色々な事件を経て削除され、金融日記のスピンオフであるメルマガ版の金融日記に再構築された。

筆者は2012年4月の創刊号からの読者であるが、金融日記は元々はダルビッシュ離婚時の慰謝料計算という「恋愛と経済」やマクロからみた恋愛市場というテーマが主で、ナンパナンパした内容ではなかった。それ故にブログ版金融日記のメイン読者であったであろうエリートサラリーマンや意識の高い大学生にも受け入れられたのではないかと思う。

創刊から3ヶ月経った第12号「 Good Genes or Good Dad?」、8ヶ月後の第35号「女の恋愛感情のトリガー」あたりから「みんなナンパしてセックスしようぜ!」的な機運が高まってきた様に感じる。ドラマの中で紹介されていたテクニックもこの頃から徐々に出始めていた。

・読者の「恋愛工学実践してみた」投稿

そもそも、メルマガの構成として冒頭に藤沢数希さんの論考→後半は読者からの質問+藤沢数希さんの回答という構成になっている。

50号くらいまでは元々遊んでいる人やナンパ師の方から「俺もこんなテクニックを知っている」「こんないい女を抱いた」といった投稿が主だった様に記憶している。また、ハンドルネームを使うという文化もほとんどなかった様な気がする。現に、今Twitter上で活躍している人達からは50号くらいまではほとんど投稿がなかった。

【金融日記FANZINE】恋愛”投稿戦士”の投稿論文まとめ|くまの|note

 しかし、ある時期から「恋愛工学実践してみた」系の投稿が数多く見られるようになってきた。「疑心暗鬼でしたが、メルマガの通りでした。本当にありがとうございました!」といった内容だ。これらの投稿は、筆者を始めとした、女にモテるための理屈はわかったものの、なかなか一歩を踏み出せなかった理論武装非モテの背中を押した。「自分たちと同じ様な人が実践して成功している。自分もやればできるかもしれない」と思わせてくれた。

そう言った意味でドラマ・小説の渡辺くんは偉大である。1人の師匠から一方的に教えられた教えを愚直に実践し、成功した。

僕は藤沢さんという永沢さんから教えを受けてもすぐに一歩を踏み出すことはできなかった。横にいるたくさんの渡辺くんが先に一歩を踏み出し、成功する姿を見て初めて一歩を踏み出せた。

Twitterへの移行

恋愛工学を実践し、藤沢数希さんに報告しつつ課題は悩みを相談する投稿は新たな理論を構築していった。そういった中でトリケラトプスさん、アキさん、ケーゴさん、サウザーさんといったスター投稿者を生み出した。彼らは活躍の場をメルマガだけではなくTwitterにも移していった。

これまで、メルマガのプラットフォーム内で1:N型でマスターから指導を受けていていたパダワン同士がTwitterに移ることで交流を持つようになった。

金融日記を読んだらTwitterで感想を書き、少々の報告(これからアポです!ゴール!!)はTwitterで行われる様になった。また、渡辺くん同士が合流してナンパに出かけるといった風景が見られるようになった。

当時はTwitter上に既に「ナンパ師」「PUA」といった巨大な市場があったので、偉大なPUA達のナンパブログをたくさん読んでテクニカルなメソッドを勉強させてもらった。

と同時に、新参者の我々はクロマニヨン人の縄張りに迷い込んだホモ・サピエンスよろしく、少々肩身の狭い思いをした。あと、女性アカウントにも叩かれまくった。

ちなみに筆者がTwitterを始めたのが2013年11月、ストリートナンパを初めてつぶやき始めたのが2014年4月だが、当時は恋愛工学アカウント自体がほとんどなかった様に記憶している。

・小説連載時の熱狂

冒頭でも触れた様に、 2014年8月からcaskeで連載が始まった。この時のコミュニティの熱狂ぶりは今でも忘れられない。

毎週木曜日に1話ずつリリースされていたのだが、みんながTwitterに感想を書き込んでいた。元カノにこっぴどく振られた渡辺くんに同情して涙し、成長していく渡辺くんに励まされ、渡辺くんの初ゴールに歓喜した。

藤沢さんがこの小説は読者の投稿から作られたという旨を述べていたが、渡辺くんは金融日記読者達の過去の姿であり未来の姿であった。みんな小説を読みながら自分を重ねて楽しんでいた様に思える。(それ故にイケメン俳優だと感情移入しづらかったかもしれない)

■終わりに

ドラマのレビューというより、ほとんどが恋愛工学のカタリベになってしまい申し訳ないです。ドラマの内容はテレビ仕様で少し「ホントか?」と思うような内容も多かったかもしれませんが、元々は実際の読者達の体験談を集積し抽出したのが原作の小説となり、ドラマ化しています。

ナンパの現場のリアルを知るにはメルマガのバックナンバーを読むのが良いと思いますが、少々時間もかかってしまうので、ドラマを観て恋愛工学に興味を持った方は小説版か漫画版を読んでみるともう少し現実味のあるストーリーや詳細なテクニックを楽しめるかもしれません。

ぼくは愛を証明しようと思う。

ぼくは愛を証明しようと思う。

 

束縛してくる彼氏/彼女への対応

敬愛する早乙女まどかさんがSarahahを始めたところ、悩める美容女子から恋愛の質問が殺到している様だ。なんと羨ましい

結婚できない時代と言われているけれど、それでも恋愛の炎は私達の中で燃え上がっている。 - まどかの戯言集

 

「僕も女子の恋愛相談答えたい」というツイートをまどかさんがRTしてくれたおかげか、さっそく女子から相談があった。

・彼氏の束縛が激しい

・怠け癖がひどい

とのことだ。Twitterで答えているのだが、140文字だと細部まで答えきれないので、記事でじっくり考察したい。

■パートナーを束縛する心理

男に限らず、相手を束縛するのは自信のなさの現れだと思う。

・相手の方が自分よりも価値があると感じている

・このままだと相手が他の異性になびいてしまうのではないかと不安になる

・お付き合いを口実に相手の恋愛活動を制限して自分に留まらせようとする

大まかな束縛のプロセスだと思う。相手を束縛するのは自分の方が相手よりも魅力がないというシグナリングになるのでやめたほうがいい。

残酷な話だが、自分がパートナーから束縛された時、それは相手と自分の魅力が釣り合っていないということを意味し、相手から卒業を検討する時期なのかもしれない。

逆にあなたが相手を束縛したい気持ちにかられたら、近い将来フラれるかもしれないと危機感を感じるべきである。やるべきことは、そうならないために何かしらの手を講じることだろう。

■男女の恋愛観の違い

「男は最初の男になりたがり、女は最後の女になりたがる」とは、アイルランドの劇作家、オスカー・ワイルドの言葉だが、男女の恋愛観をよく表している。

恋愛工学や橘玲さんの受け売りだが、わたしたちは自分達の遺伝子をたくさん残せた人の子孫だ。つまり、わたしたちの本能や習性は自分達が最も遺伝子(子供)を残せる様に最適化されている。ただし、現代の状況にではない。生物の進化のスピードはすごくゆっくりなので、長い時間をかけて本能を形成した石器時代にたくさん子供を残せた人の習性がしみついている。

わたしたちホモ・サピエンスが40万年前にサバンナで獲物を追い回していたころ、どんな人が子供をたくさん残せたかと言うと、男は妊娠・出産のコストが限りなく0に近いのでとにかくたくさんの女とセックスした人がたくさん子供を残した。

女の場合はそう簡単にいかず、良い遺伝子を妊娠し、良いパパに子供を育ててもらう必要があった。有名なGood GenesとGood Dad理論である。

週刊金融日記 第12号 Good Genes or Good Dad? 消費税増税法案可決、コスパ抜群の恵比寿のフレンチ、他|藤沢数希|note

橘玲さんの言葉を借りると、「異なる生殖戦略を持つ男女は“利害関係”が一致しない」からだと言うことが科学的に証明されている。

男と女はなぜわかり合えないのか? 週刊プレイボーイ連載(51) – 橘玲 公式BLOG

 

男は彼女がいようが常に他の女とのセックスの機会を狙っており、彼女もそうなんじゃないかと心配なのである。ほとんどの男にとっては、付き合うことが唯一のセックスの手段であるが、女はそうではない。フラッとクラブでもいって、物欲しげな視線を男に送ればものの10分でセックスにありつける。

男が持つ他の相手とセックスしたいという欲求と、女は簡単にセックスできるという状況が彼を束縛に駆り立てているとも言えるかもしれない。

■精神的に向上心がない者はばかだ

夏目漱石の「こころ」で主人公が親友を自殺に追い込んだ台詞だが、実際にそうだと思う。

パートナーを束縛してる暇があるなら自分を磨いた方がいい。束縛してくる彼氏にはもっと魅力を高めてもらってお互いのバランスを整えてもらうのが良いかもしれない。

そもそも、束縛するという行為は相手の足をひっぱって自分のレベルにまで引き下げる。他の異性にアプローチする気がなくても、行動に制限される。例えば、彼女が大学生で就活の大切な局面を迎えている。第一志望の内定を持っている男性の先輩の話を1:1で聞きたいが、彼氏にいったら嫌がられるんだろうな…なんて気にしてたらライバルに遅れをとってしまう。

たまにお互いを束縛し合って愛を確かめあってるカップルがいるが健全ではないと感じる。(本人たちがそれで幸せならもちろんいいのだが)

彼女が人数合わせの合コンに誘われてどうしてもいかなきゃいけない…という相談をされたら、快諾し「他の男と自分を比較して来い」と言えるくらいの度量を持ちたいものだ。

■彼氏への伝え方

というような内容を彼氏に直接伝えるのは問題があるだろう。どんなに理由があっても結論は「束縛するんじゃねぇよ」なので彼氏からしたら「色々屁理屈こねてるけど、自分が遊びたいだけじゃん」と取られかねない。 

第三者からやんわり伝えてもらうのがいいかもしれない。この任務を託せる共通の知人がいなければこの記事のリンクを送ったほうが、直接伝えるよりいいだろう。

■終わりに

 1000年前から小説・劇のテーマとしての恋愛がなくならないのは、恋愛が人類にとって、普遍のテーマであり、色褪せないからではないでしょうか。

 

恋愛に進化だの科学だのという言葉を持ち込んでしまうと、百年の恋も冷めてしまう様な気がしますが、科学的に証明されたエビデンスを用いて、論理的に行動することは色々な局面でリターンが多くなる確率が統計的に高い選択を与えてくれます。恋愛の面白みはなくなってしまうかもしれませんが。

「マッキンゼーが教える科学的リーダシップ」読書感想

リーダシップ、マネジメント関連の本が読みたいなと思っていたところにAmazonからレコメンドされたので買ってみた。

著者のクラウディオ・フェサーさんのことをも吉良直人さんのことも知らなかった。

過去に紹介した良い本の見つけ方の1つである③海外の本を満たしてはいるが、ジャケ買いに近い。

「残酷すぎる成功法則」読書感想 - ゴッホの備忘録

タイトルに「マッキンゼー」という文字が入っているだけで「ちゃんとしている本だろう」「学びがありそう」と感じてしまうのは僕だけだろうか。ロナルド・チャルディーニが「影響力の武器」で紹介した6つの法則のうちの1つ、「権威」にまんまとひっかかったわけだ。

影響力の武器」は素晴らしい本だが、長ったらしくて読めなかった。橘玲さんの「亜玖夢博士の経済入門」の「社会的証明」の章を読めば事足りると思う。30分くらいで読めるのでまだの方は是非。

亜玖夢博士の経済入門 (文春文庫)

■リーダシップはマネージャーにのみ必須のスキルではない

 「リーダーシップ」や「コーチング」といった書籍を本屋で見る度、「この本は管理職のポストにあるおっさんが読むもので、自分には関係ない。」と思っていた。しかし、実はそうでないと本書を読んで感じた。

仕事を進める際は上司→部下という場合もあるが、部下同士で仕事を進める場合もあるだろう。上司→部下で指示する場合はリーダーシップがなくても「やれよ」の一言で部下は従わざるを得ない。しかし、部下同士のコミュニケーションの場合はそうはいかない。指示する権限がないので、相手に何かをやらせたかったら、相手をモチベートし、やる気にさせ、動いてもらわないといけない。それができなければ自分でやるか、上司に指示を出す様にお願いしなければいけない。(これもある意味で上司に対してのリーダーシップが必要だ)

また、本書では会社での部下・上司だけにとどまらず父・子供としてのコミュニケーションについても触れられている。リーダーシップは職場のみならず、家族のおいても必要なのだ。

■著者プロフィール

著者のクラウディオ・フェサーさんはマッキンゼー・アカデミーというリサーチ組織のチェアマン。彼を中心にアカデミーのメンバーにより行われた2年間の集大成が本書となる。その調査方法だが、世界中の企業組織165社、なんと37.5万人もの従業員にアンケート調査を行いまとめ、膨大なファクトを集めどの様なリーダシップが成果を生み出すか科学的な根拠を導き出したとのことだ。ただでさえすごいやつらが、そんな膨大な時間と手間暇かけてまとめたリサーチなんてすごいに決まってるとワクワクしながら、ありがたく読ませてもらった。

ちなみに訳者の吉良直人(きらなおと)さんはICUからハーバードのMBA帝人などを経てマッキンゼーに入社されたエリート中のエリート。大前研一さんが退社されるまで一緒に働かれ、大前研一さんの「企業参謀」を英訳し、大前さんが米国で発売した「新・資本論」、「新・経済論」を翻訳したとのことで翻訳者も間違えないチョイスとなっている。

吉良という名前を聞いた瞬間に、ひっそりと静かに暮らしたい人を連想してしまった自分が恥ずかしい。

■ストーリー+理論解説で話が進む

内容については一貫して、人に対してインスピレーションを与え動機づけることで、人を動かす方法論について語られる。本書ではこの技能を「インスピレーショナル・リーダシップ」として定義して、鍛えることができると主張する。

本書は架空のストーリー+理論の解説を交互に繰り返すことで読者がインスピレーショナル・リーダシップを学んでいくことができる。架空のストーリーはインフルー社というロンドンに拠点を置き、医療機器を製造するグローバル企業のCEOに就任したばかりのジェームズ・ロビンソンが主人公となる。彼がロンドンからNYに向かう飛行機の中でマーク・ジェンセン博士に会うところから始まる。博士は心理学の権威で、インスピレーションにより影響力を与えるプロセスについて研究していた。

その後、数々の苦難がジェームズに襲いかかるがその度に彼はジェンセン博士に相談し、インスピレーショナル・リーダシップを学びながら乗り越えていく。

■内容は非常にわかりやすい

 マッキンゼーのリサーチと聞くと非常に難解な内容で理解できないのではないかという危惧を持つ方もいるかもしれないが、そんなことはない。

理論のパートはすっきりとまとめられていてわかりやすいし(横文字が多くて少し頭に入ってきづらかったが)、何よりストーリーがあるため、理論のパートがどういうことを言っているのか理解しやすかった。

■終わりに

ストーリーに登場するCEOのジェームズは当初、高圧的で命令的な態度で部下に接していた。ジェンセン博士に会い、人にインスピレーションを与えて動かす方法を学んでから柔軟な方法に変えて成功を収めていく。

僕自身の経験からしても、高圧的で傲慢なリーダーに命令されるよりも、温厚でソフトな人柄のリーダーに動機づけをされる方が働いていて気持ちいい。

本書の最後に下記の様な記載がある。

健全な組織を築くには、EQ( Emotional Inteligence Quotient: こころの知能指数)が 高く、心理的感度の高いリーダーが必要であるということだ。健全な組織とは、競合よりも高い業績を上げ、素晴らしい才能を持つ人材を引き付け、従業員のやる気を出させ て力を与え、最終的に株主に対し例外的な報酬を生み出す組織である。

 ダニエル・ゴールドマンの「EQ こころの知能指数」について触れられている。発売から20年近く経っても尚名前が出てくるということは時が経っても色褪せない名著なんだろう。これは読んでみたい。

 

この記事をきっかけに、1人でも傲慢で不遜な上司がいなくなり、この世から少しでも部下達のストレスが軽減すれば幸いである。

マッキンゼーが教える科学的リーダーシップ――リーダーのもっとも重要な道具とは何か

マッキンゼーが教える科学的リーダーシップ――リーダーのもっとも重要な道具とは何か

 

匿名メッセージアプリ Sarahah(サラハ)を使った感想

起業家のけんすうさんがSarahahという見慣れないアプリを使っていたので気になって使ってみた。サラハ(サハラじゃない)と読むらしい。ググると「インスタで話題!」というタイトルが目につく。どうやら、TwitterよりもInstagramで流行っている様だ。

■Sarahahについて

Sarahahはアラビア語で「正直」を意味し、匿名でメッセージを送れる。英語にしか対応していないが、直感的な操作ができ、シンプルな機能なので英語ができない人にも簡単に使えるだろう。

匿名メッセージアプリsarahahやり方ご紹介:日本語化・登録・返信する方法まとめ|sarahahバレル可能性あるか

Sarahahは2016年にサウジアラビアのZain al-Abidin Tawfiqによって開発された。元々は従業員が上司にフィードバックを与えるためのウェブサイトとしてスタートしている。

2017年2月にサウジアラビアでアプリがリリースされてから中東で広まり(エジプトで250万、チュニジアで170万、サウジアラビアで120万ダウンロード!)、2017年6月13日に英語対応してから欧米や南米の各国でアプリのダウンロード数1位獲得と爆発的な広がりを見せた。遅れること5ヶ月、Twitterに張り付いていた僕の元に届いた。

海外で爆発的流行、匿名メッセージアプリ『Sarahah』が抱える光と闇 - NAVER まとめ

■Ask.fmの上位互換サービス

「なんかよくわからない新しいサービスが出てきた…」と怖がらないでほしい。Sarahahを一言で表すと「使いやすくなったAsk.fm」である。

Ask and Answer - ASKfm

Ask.fmは2010年にラトビアでスタートしたサービスで、Sharahah同様ユーザーが匿名で質問を受け取ることができる。Twitterでaskの質問に答えているユーザーも多いので、知っている人も多いかもしれない。

基本的な機能は同じだが、Sarahahの方が利便性が高い。

Askで回答をTwitterにポストすると、質問/回答が長い場合は、…という形で省略されてしまい、全文はaskのサイトに飛ばないと見ることができなかった。

その点、Sarahahは質問が画像形式でポストされるため、質問も回答も途切れることなく表示することができる。仕様が少し違うだけでユーザビリティが抜群に上がっている。

質問が画像でポストすることができるので質問+回答をインスタストーリで回答するという使われ方がされている様だ。テキストのみのaskではできなかった使い方だ。

そう考えると世界中で流行っているのは"Instagramと親和性がある匿名のメッセージサービス"がこれまでなかったからかもしれない。

TwitterSNSの中でのシェアが高いのは日本くらい

日本はTwitterがもっとも利用される唯一の国:世界のSNSユーザー動向を示す5つの表 | DIGIDAY[日本版]

■利用メリット

メリットがあるから多くのユーザーが使っているのだろう。

・フォロワー=リアルの知り合いの場合

実名でSNSを利用していてフォロワーはそのままリアルでも知り合い、という人は多いだろう。

 Facebook/Instagram/Twitterを実名でやっていて、「何でも質問してください!」とプロフィールにSarahahのリンクを貼っておく。そうすると学校の同級生、会社の同僚、上司、部下などから面と向かっては言えないことをSarahahを通じて伝えることができる。(繰り返しになるが、元々の使われ方は上司へのフィードバックだ)

「今日鼻毛が出てるよ」なんて下らないことから、直接言うことがはばかれる「仕事の振り方が雑過ぎて皆困っている」なんて改善要望や、「ずっと格好いいと思ってました。好きです」なんて嬉しいメッセージ(男友達の悪戯の可能性の方が高いので浮かれすぎない方が良いだろう。)まで、Sarahahがなかったら伝えられないことが伝えられる様になる。

ピーター・ティールに著書「ゼロ・トゥ・ワン」で「空飛ぶ車が欲しかったのに、手にしたのは140文字だ」とディスられたSNSだけど、これなら世界を変えられたと言えるかもしれない。(僕はTwitterが大好きだし、匿名メッセージなしでも十分僕の世界を変えてくれた)

・フォロワー数が多い場合

けんすうさんの様に大量のフォロワーがいる場合、フォロワーのニーズを汲み取れることがメリットとして上げられるかもしれない。

10万人もフォロワー数がいる人にリプライやDMを送るのは恐れ多い。送ったとしても大量の通知の中で埋もれてしまうのではないか。引用RTで答えてくれたとしても、自分が質問していることが大量のフォロワーに晒されてしまい、恥ずかしい。

匿名メッセージだとそういった心理的障壁が取り払われてメッセージを送るハードルがぐっと下がる。フォローしてくれているユーザーがどんなことを考えているのか、どんなことを知りたがっているか、フォロワーのニーズを直接聞くことができる。

■Sarahahのダークサイド

多くのメリットがあるSarahahだが、光があれば影があるように、負の側面もある。askでのケースから予想されるダークサイドを上げたい。

・ネガティブなメッセージ

匿名でメッセージを送れる以上、誰でも何でも言えてしまう。高校生なんかがSarahahをいじめのツールに使うことも考えられるだろう。

askでは欧米のティーン・エイジャーがaskが原因で自殺したケースも出ている。

Ask.fm - Wikipedia

僕の体験では過去に敵対勢力との抗争があった時にaskにメッセージなしでURLリンクが送られてきた。その時点で嫌な予感はしたのだが、開けてみると画面いっぱいに骸骨の映像に大音量で奇声の様な音が流れてとてもびっくりした。インターネット上には心ない人がいるもんだなぁと思いながら速攻でメッセージを削除した。

Sarahahを使う以上、こういった事件があなたに起こる可能性は十二分にある。誹謗中傷メッセージが来ることを覚悟しておいた方がいいかもしれない。

また、女性の場合(特に自撮りを上げている場合)は男からの気持ち悪いメッセージが大量に届くことが予想される。(DMでも局部画像を送る人もいるようだ)

しかし、そんなメッセージは精神的ダメージはあっても実害はなく、靴の中に紛れ込んだ石コロみたいなものだ。すぐに消して気にしなければいい。それができるなら利用するメリットは補って余りある。

・身バレ

メッセージの送付先が匿名アカウントである場合は、Sarahahを使って個人情報を特定し、身バレさせようとしてくる輩がいる。大学はどこ?とか出身は?といった具合に。慣れていない人だと誘導尋問されて色々答えてしまう人がいるかもしれない。

これは最初から個人情報に繋がる質問には一切答えないと自分の中でルールを決めておいた方が良いだろう。フォロワーに宣言しておいてもいいかもしれない。

個人情報に繋がる質問が来ても即削除。ガンシカは快適な人生を送るために必須のスキルだ。

■終わりに

いかがでしょうか?世界中で流行しているSarahah。これから日本でも流行る可能性が高いです。(僕が鈍感だっただけで、既に流行っている様だ)

どうせだったら周りが始める前に始めて、後から「俺/私がこの中では1番に始めていた」と内心ドヤるのも気持ちいいかもしれません。

以下が僕のサラハですメッセージお待ちしてます!

Sarahah - goph

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「専業主婦は2億円損をする」読書感想

金は鋳造された自由であるードストエフスキー

橘玲さんの新作を読了しました。彼が監訳した「残酷すぎる成功法則」に続き2冊連続で橘玲さん関連の本を読んだことになります。発売からわずか2〜3日でAmazonでベストセラーになっていたので大変売れていることでしょう。キャッチーでセンシティブなタイトルだし余暇時間のたくさんある専業主婦や専業主婦を持つ夫、専業主婦を夢見る婚活女子が本屋で見かけてハッとして立ち読みする姿が目に浮かびます。それでは、以下レビューになります。

■これまでの橘玲本とは一線を画する

約10年前に橘玲さん著の小説「永遠の旅行者」に出会ってから彼の本の魅力にハマり、貪る様に彼の作品を読んできた。新作も必ず読んでおり、ほぼ全ての作品を読んでいると言っていいだろう。本書は彼のこれまでのどの本とも違っていた。想定する読者が違うのである。

今回の最大の想定読者はタイトルにもある主婦である。そのためかマガジンハウスからの発行となっている。ちなみにwikipedeiaで彼の著作リストを見るとデビュー作の「マネー・ロンダリング」から何作か幻冬舎が続き、投資系の本はダイヤモンド社からいくつか出ており、その他にも集英社講談社や新潮社などから出版しているが一貫して対象はビジネスパーソンだった。(あとがきにもそう書かれている)

橘玲 - Wikipedia

橘玲本をたくさん読んだ人は少し違和感を覚えるかもしれない。平易な表現で書かれている箇所が多く、またこれまでの書籍だとよく登場していた「この話は○○にも書きましたのでそちらを読んだ人は読み飛ばしてください。」という注意書きも登場しない。初めて彼の書籍を読む人にも読みやすい内容になっている。

僕にとっての「永遠の旅行者」の様に、この本をエントリー本として、彼に魅了され過去の書籍を読みふける人が続出することを楽しみにしている。あとがきにも書かれているが、この本の次に読むべきは「幸福の資本論」だろう。本書は「幸福の資本論」の内容を女性向けにカスタマイズして書いたという側面もある。

■入念な準備

あとがきを読んで驚いたのが、この本の構想が立ち上がったのは2014年冬だったと言うことだ。発売が2017年11月なので3〜4年の期間を経て刊行ということになる。思いついたことをすぐに発信できる現代にあって、これほど長い歳月をかけて綿密に書かれた文章というのは貴重だ。1つ1つの文章に重みがあり、読みやすい構造・言い回しにしようと推敲に推敲を重ねられていることが文面から想像できる。

そして大量の文献が引用されている。日本社会での女性問題を扱った新書から海外の論文まで24つが参考文献として挙げられている。当然その背後には採用されなかったおびただしい数の文献が眠っているだろうから、橘さんがこの本を書くためにリサーチに費やした時間を想像するだけでも気が遠くなる。

「プロの作家だからそんなの当たり前だよ」と言われればそれまでだが、気の遠くなる時間を費やして調べたことのエッセンスがわずか1000円ちょっとと2〜3時間で読むことができる。現代に生まれたことに感謝したい。

■幸せになれない専業主婦

本の内容に簡単に触れておくと、タイトルにある通り、「専業主婦になることは生涯年収にあたる2億円をまるまる捨てることだ」という主張から「そもそも海外では専業主婦は時代遅れ」「専業主婦になると幸せになれない」という専業主婦になることのデメリットを展開する。幸せになれない数々の理由が挙げられているが、1番はタイトルにもあるお金である。専業主婦はお金がない。ドストエフスキーが言った様にお金がなければ自由もない。自由がなければ幸せもない。という見事な三段論法である。

その上で、日本ではどの様にして専業主婦が生まれているのか、彼女たちが専業主婦にならざるを得なかった日本社会の構造的な問題に触れている。女性の社会進出に関する話題では

驚くべきことに、日本の会社はいまだに「前近代」、すなわち江戸時代と同じようなことをやっていたのです。

 という日本社会への厳しい批判も登場する。これは女性だけでなく、女性がいる職場で働くビジネスパーソンも読むべき内容だろう。要約すると下記の様に紹介されている。

・日本の会社は残業時間で昇進を決めている。

・子供が生まれると自分の時間全てを会社に捧げる働き方はできない。

・結果、女性はちから突き燃え尽きて専業主婦になっていく。

■残酷な世界で生き延びる方法

 専業主婦が生まれてしまうのは日本社会の構造的な問題なので、今日明日に変えることはできない。としながらもそうした社会を前提にした上で自分だけが幸せになる裏技を彼は教えてくれる。これは「残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法」あたりから登場している「我々は幸せになるようにデザインされていない。でも、幸せになれる」というおなじみのロジックである。

・子育てを外注する

子供の世話で残業ができず、昇進できないなら子供の世話をアウトソーシングしてしまえばいいというシンプルなロジックである。家政婦や両親への外注。そもそも住み込みの家政婦が一般的な海外で暮らしてしまおうなんて大胆な案まで登場する。

フリーエージェントになって会社に縛られない生き方をする

子育てすると昇進できない働き方をそもそもやめてしまおうというコロンブスの卵的な発想である。フリーエージェントには誰でもなれるわけでないが、橘玲さんは過去の本でもフリーエージェントになるそのメリットやなり方について触れられており、今回は女性向けにフリーエージェントとしての働き方について解説されている。

■終わりに

いかがでしょうか?Twitterで「年収2000万円以下はあり得ない!」という3食昼寝つきの王侯貴族の様な生活を夢見る女性アカウントをよく見かけますが、本書では「お金持ちとの結婚を夢見て婚活することは当たりのない宝くじ売り場に並ぶようなもの」とバッサリ切り捨てています。また運良くお金持ちと結婚できたとしても、収入0の生活は自由がなく、幸福度も低い様です。

このブログを読んで少しでも本書に興味を持った方は、橘玲さんのブログにプロローグとあとがきが掲載されているのでそれだけでも読んでみてはいかがでしょうか?これから結婚する女子にも、もう結婚した女子にもためになる内容です。そして女子だけでなく、一生恋愛には縁がないだろうという男子以外は是非読んでみて下さい。

専業主婦は2億円をドブに捨てている | 橘玲 公式サイト

『専業主婦は2億円損をする』あとがき | 橘玲 公式サイト

専業主婦は2億円損をする

専業主婦は2億円損をする

 

「残酷すぎる成功法則」読書感想

僕が好きな作家の1人である橘玲さんが監訳したエリック•バーカー氏著「残酷すぎる成功法則」を読了した。まずはこの素晴らしい本に出会えた幸運に感謝したい。2017年のNo.1は「サピエンス全史」かと思っていたが、それに匹敵する面白さだった。

サピエンス全史読書感想① - ゴッホの備忘録

■面白い本の条件

本の紹介の前に、僕が思う名書の見つけ方は3つあると思う。

①自分が好きな作家の本

自分にとって面白いと感じる本を書く作家の本は他の本も大抵マッチする。今回も橘玲さん監訳とのことで即買いだった。

②発売してから時間が経っている本

時間の洗礼は1番わかりやすいフィルタかもしれない。これはマスター•カルジもブログで言及されていた。ただ、1つ問題があって新規性が少ないかもしれない。まだ読書の経験が浅い人は古典を読んでみるといいかもしれない。僕が読書にハマったきっかけは夏目漱石の「こころ」だった。中学、高校と現代文の授業が大嫌いで、教科書に出てくる話は「羅生門」しか読んだことがなかった。「こころ」は高校2年生の現代文の授業で題材にされてたんだけど、一部分が抜粋されているとはいえ、とても長かった。普通だったら絶対読んでなかったんだけど、追試を受ける変わりに感想文を出せばOKだったので泣く泣く読んでみたらとても面白かった。その後大学生になって暇過ぎて本でも読んでみようかなと思って「こころ」を思い出して、1冊を通して読んでみたら登場人物に共感して泣いてしまうくらい面白くて読書にハマってしまった。長くなってしまったが、「羅生門」と「こころ」はkindleなら無料なので未読の方は是非。

③海外の本

翻訳の洗礼もわかりやすいフィルターである。海外で売れていなければわざわざお金をかけて翻訳しようなんて話にならない。

闇雲にタイトルだけで選んで買ってしまって積読を繰り返している人は参考にしてみて欲しい。というわけで、「残酷すぎる成功法則」は2つの要件を満たしていたので高い確率で面白いだろうなとは思っていた。そして面白い本とは1ページ目から引き込まれる。寝食を忘れて、とまではいかないけど電車移動が例え2・3駅でも読みたくなってしまう。そんな本だった。

自己啓発を科学する

残酷すぎる成功法則」について一言で表すと、「自己啓発を科学の域に昇華させた」という表現がしっくりくる。自己啓発と聞くと、成功した著者のインチキくさい自分理論が最初から最後まで展開されるイメージがあったが、査読付き論文などのエビデンスを用いて、科学的根拠のある内容のみを掲載している。「査読付き論文」という言葉は一般の人には馴染みがないかもしれない。wikipededliaには

研究者仲間や同分野の専門家による評価や検証のことである 

査読 - Wikipedia

 とある。ジャーナルや学会にもよるが、学生や教授が論文を頑張って書いて、それをさらに偉い学者さんたちが論理根拠などが十分がちゃんとチェックしましたよという意味だ。つまり、そこらへんのネットに転がってる記事に書いてある内容よりは、信憑性があるということだ。

自己啓発を科学するという文脈での紹介は橘玲さんが書いた前書きの文章が1番わかりやすい。前書きとあとがきはネットで無料で読めるので気になる方はこれだけでも読む価値はあるかもしれない。

残酷すぎるが言おう。9割の人は「成功の法則」をまちがえている(橘 玲) | 現代ビジネス | 講談社(1/4)

ちなみに、橘玲さんがかなり前に書かれた「残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法」でも自己啓発について触れられている。ここで彼は「自分が変われば世界は変わる」とか「強く願って努力すれば願いは叶う」的な旧来的な自己啓発をバッサリと切り捨てている。この本もとても面白いので気になる方は是非。

残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法、橘玲 : 金融日記

■キュレーション力

もう1つ、この本を表すのであれば「キュレーション力」が挙げられる。凄まじしいまとめ力だ。情報過多の現代にふさわしい名著と言える。

・巷に溢れる数多くの自己啓発書の中から

・科学的なエビデンスがあり、優れているものだけを

ピックアップして紹介している。アダム・グラントの「GIVE & TAKE 与える人こそ成功する時代」は本編もこちらでの紹介も読んだが、「残酷すぎる成功法則」の内容だけでも十分だったかもいれない。

GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代〜読書感想 - ゴッホの備忘録

英語で書かれた自己啓発書は、最初に重要なことが書いてあってその後はそれを補強するストーリーが続くことが多い。重要なエッセンスは実は少ないので、まとめられていることによるメリットは多い。

■訳と監訳

残酷すぎる成功法則」は海外の本であるにも関わらず非常に読みやすかった。まるでネイティブの日本人が書いたみたいに。洋書の場合、翻訳者もかなり大事で、この読みやすさは竹中てる実さんの功績なのだろう。ナンパバイブルの「ザ・ゲーム」なんかは訳が最悪で非常に読みづらい。しかも、日本だとイメージしづらいシーンも多数あり、物語を難解にしている。「残酷すぎる成功法則」が日本人に馴染みがない例などは割愛したと書いてあるのでその効果もあったのかもしれない。「ザ・ゲーム」もまるまる翻訳するだけでなくて、日本のナンパの第一人者に監訳を依頼していればもう少し読みやすかったかもしれないと思うと残念だ。

ちなみに、橘玲玲さんは過去にも海外の本の出版に携わっている。ウォーター・ブロックの「不道徳教育」だ。藤沢さんの言葉を借りると

この本は、売春婦、女性差別主義者、シャブ中、2ちゃんねらー、満員の映画館で「火事だ!」と叫ぶ奴、悪徳警察官、ニセ札づくり、闇金融、慈善団体に寄付しない冷血漢、ホリエモン、ポイ捨て、幼い子どもをはたらかせる資本家、と言った社会で軽蔑されているような人たちや犯罪者までを経済学の原理原則に則り、論理的、合理的に擁護します。

 となっており、非常に面白い。また、監訳ではなく、翻訳となっている。あれだけ素晴らしい文章をかけて、翻訳もできるとは…

不道徳教育、ウォルター・ブロック (著), 橘玲 (翻訳) : 金融日記

自己啓発書を読んだら気をつけること

自己啓発書を読んで何も行動をしない。この世で最も無駄な行為だが、最もやりがちな行為だ。自己啓発書は読んでいて気持ちいい。大成功した億万長者や科学者、ロックスターの成功ストーリーがかかれていて、自分も成功した気になれる。

だが、本を読んだだけじゃ現実は何も変わらない。1つ1つ実行にうつしていかなければいけない。本を読了した僕がまずやるべきことは本に書かれていたことをまとめ、1つずつ実行にうつしていくこと。(いくつか試し始めているがこうかはばつぐんだ!)

内容のまとめについては別の機会に記したい。

残酷すぎる成功法則  9割まちがえる「その常識」を科学する

残酷すぎる成功法則 9割まちがえる「その常識」を科学する